LCCの安全性に問題は?専門家「大手もLCCも安全性に遜色ない」 韓国で「チェジュ航空」が着陸事故…日本の航空機の対策は?【ソレどう?】

大きな煙を立てて滑走路を滑る旅客機。
機体はスピードを落とさずに、そのままオーバーランしました。

壁に激突し、炎上。
乗っていた181人のうち、助かったのは2人だけでした。

今回、事故を起こしたのは、韓国のLCC(格安航空会社)の大手でした。

6日のテーマは、「韓国LCCの着陸事故 日本でも起きる?」ソレってどうなの?です。

今回事故を起こしたのは、成田空港や関西国際空港などを結ぶ直行便もあり、韓国旅行に向かう人たちに人気の「チェジュ航空」です。

LCC(ローコストキャリア)は、無料サービスの廃止や有料化、機内設備をシンプルにすることで、大手の航空会社よりも格安で旅ができるため、節約志向の旅行者たちに人気なんです。

そんなチェジュ航空で事故は起きました。

事故後に撮影された映像には、黒く焼け焦げてバラバラになった機体が映っています。

そして事故から一夜明けると、体育館に設置された献花台に花を手向ける人々の姿がありました。

また事故の翌日、チェジュ航空の旅客機が、着陸装置に異常が発生して空港に引き返す事態がありました。

LCCの“安全性”に問題はないんでしょうか。

専門家の小林宏之さんに聞きますと、今回の事故とLCCであることに“関連性は全くない”という答えが返ってきました。

航空評論家・小林宏之さん:
国連の機関である国際民間航空機関のルールに沿って、各国の当局が航空法を決めて、いろんな規則を決めていますので、ほぼ同じルールで運航し、整備もしています。そういった意味では基本的に、大手もLCCも安全に関して遜色はないとしか言いようがない。

ただそんな中、今回179人もの命を奪った事故の原因の1つとして推定されているのは“バードストライク”です。

バードストライクとは、飛行機と鳥や鳥の群れと衝突することです。

事故当日にムアン国際空港周辺で撮影された写真を見ると、無数の鳥が空に長い列を作っているのが分かります。

撮影した人によりますと、鳥は旅客機の10倍ほどの巨大な群れとなって空を真っ暗に染めていたといいます。

また、事故を起こす直前に撮影された映像には、画面左側のエンジン付近から白い煙のようなものが噴射される様子が記録されていました。

―― バードストライクが起きると、今回のような事故につながる可能性というのは高いのでしょうか?

航空評論家・小林宏之さん:
今のエンジンは非常に信頼性が高い。一つのエンジンが故障で停止しても、もう一つのエンジンで安全に飛行・着陸ができる。一つのエンジンがダメージを受けても、ほぼ事故になることはない。

今回は、エンジンが左右2機とも止まってしまった極めてまれなケースと推察します。

それでは、日本の航空機は大丈夫なのでしょうか。
国土交通省によりますと、日本でもバードストライクは年間1500件ほど発生しています。

航空評論家・小林宏之さん:
バードストライクがあったとしても、上空で色々な手当てをして、最終的には手動で(車輪を)下ろすということができるかと思います。今後、日本でも鳥対策が非常に重要になると思う。

バードストライクが多く発生している日本の空港では、年間を通じてパトロールを行い、銃やスピーカーから音を流すなど防除しています。

利用する機会の多い航空機ですが、安全な運航をお願いしたいと思います。

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