今から360年ほど前に発生した日向灘を震源とする「外所(とんどころ)地震」について、京都大学防災研究所などのグループは、マグニチュード8クラスの巨大地震だった可能性を科学的に示したと発表しました。
この規模の地震が発生した場合、宮崎市の加江田川河口で10メートル程度の津波が発生するというシミュレーション結果も示されました。
1662年、日向灘を震源として発生した「外所地震」。
大きな揺れと津波が現在の宮崎市木花地区を襲ったとされる地震です。京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教などの研究グループは、最新の知見をもとに外所地震の発生メカニズムを説明するモデルを構築。
その結果、これまでマグニチュード7.6程度と推定されていた規模について、マグニチュード8クラスの巨大地震であった可能性が示されました。
(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
「外所地震は、少なくともこの100年われわれが経験した地震(の規模)ではない。これは間違いない。揺れの強さもすごいし、津波もすごいのがきている。起こったら相当な被害になることは間違いない」
研究グループでは、このモデルをもとにした津波のシミュレーションを実施。
画面右のグラフが左の地図の地点で想定される津波の高さを表しています。宮崎市の大淀川河口付近で急激に高くなり、加江田川河口周辺が10メートル程度と最も高くなっているのが分かります。
また、山下助教らは、県内の沿岸部を調査し、日南市小目井(こめい)では外所地震の津波によって作られたと考えられる堆積物を複数か所で発見。
ここは、海岸からおよそ450メートル、標高7メートルで、津波による浸水シミュレーションを裏付ける発見となりました。
(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
「今後より調べていくことが、皆さんの命を救うための正しい知識。誤った知識を持たないことにつながる。日向灘の地震は小さい、気にしなくていいと思っている人が多すぎる。そこをまず意識を変えてほしい。この地震、きょう起こっておかしくないので。いつ起こるかわからないので」
山下助教らは「自治体や民間と協力して研究を進め、正しい情報を伝えたい」としています。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mrt/270519
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