アメリカの首都ワシントン近郊で、旅客機と軍用ヘリコプターが空中で衝突し、近くの川に墜落した事故。原因として何が考えられるのでしょうか。日本航空の元機長は、民間機と軍用機ならではの2つの可能性を指摘。日本でも注意が必要だと訴えます。
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https://news.ntv.co.jp/category/international/757590ea81e64bd6bdab1cb69be9b1a1
■米中枢から“目と鼻の先”の現場
藤井貴彦キャスター
「事故について整理します。民間機と軍用ヘリの衝突が起きたのは、アメリカの首都ワシントン近郊にあるレーガン・ナショナル空港の近くで、2機はポトマック川に墜落しました」
「墜落現場から6キロほど北にはホワイトハウスがあり、まさにアメリカの中枢から目と鼻の先と言える場所でした。原因として何が考えられているのでしょうか?」
■民間機が着陸しようとした際に衝突
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「衝突の瞬間とみられる映像があります。民間機と軍用ヘリ、それぞれのものとみられる光が映っています」
「今回の衝突は民間機が着陸しようとした際に起きたとされていますが、民間機は少しずつ高度を下げながら着陸態勢に入っています。一方の軍用ヘリは、本来高度や方向を急に変えることが可能なはずですが、同じ速度で高度を変えていないように見えます」
■日本航空の元機長が指摘する可能性
小栗委員長
「日本航空で機長を務めていた小林宏之さんは、衝突の原因として民間機と軍用機ならではの可能性が2つ挙げられると指摘しています」
「まず1つ目です。管制官は双方の機体に気づいて呼び掛けていたという情報もありますが、管制官からの指示に軍用ヘリが従っていたかどうかが重要なポイントだと話しています」
「というのも、一般的に民間機と軍用機では交信に使う電波の周波数が違うため、管制官を経由しないとお互いの動きを把握することができません。だからこそ、管制官の指示に従うことが非常に大事だといいます」
「2つ目として、軍用ヘリがTCAS(ティーキャス、衝突防止装置)を装着していなかった可能性も小林さんは指摘しています」
「TCASは、衝突の可能性が高くなると警報が鳴る装置です。大型の民間機には装着が義務づけられていますが、軍用機には位置情報を発信することでセキュリティー上の問題が生じるなどの軍事的な観点から、装着が義務づけられていません」
「もしも今回の軍用ヘリがTCASを装着していなかった場合、警報は鳴らなかった可能性もあるといいます」
■周波数とTCASの問題は日本でも
藤井キャスター
「民間機と軍用機では大分違いもあるということがわかりましたが、日本でも空港を共有している場所はありますよね」
小栗委員長
「日本でも民間機と、自衛隊機やアメリカ軍の航空機が共用で使用している『共用空港』と呼ばれる空港が8か所あります。その他にも、自衛隊の戦闘機が訓練などで離着陸する民間の空港もあります」
「小林さんは、周波数の問題とTCASの問題の2つの点は日本でも同じだということで、共用空港などでは注意が必要だと話していました」
小島よしおさん(お笑いタレント・『news zero』木曜パートナー)
「私も仕事で全国に飛行機で行くことが多いので、日本でも起こり得るんだと思うと恐ろしいです。とにかくこのワシントンの事故がなぜ起きてしまったのか、少しでも早く原因がわかるといいなと思います」
(2025年1月30日放送「news zero」より)
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