中居正広さんと女性とのトラブルを発端とした一連の問題を受けて、フジテレビが記者会見を行い、嘉納修治会長と港浩一社長の辞任を発表しました。
会見では、フジ・メディアHDとフジテレビの取締役相談役を務める、日枝久氏(87)の責任を問う声も多く上がりました。日枝氏40年以上フジテレビに関わり、今も大きな影響力があるとされています。どういう人物なのでしょうか。
■“会見不在”日枝相談役とは
会見を受け、フジテレビへのCMを差し止めている企業からは厳しい声が相次いでいます。
CM差し止めの企業A
「日枝さんが結局やめなかったというところで、根本的な解決にならないのでは。生まれ変わろうとしている感はないと感じた」
CM差し止めの企業B
「『とかげのしっぽ切りみたいにどうしても見えてしまうな』と。フジの権力構造の中で一番上に君臨されている日枝相談役が出てこないので」
フジ・メディアHDとフジテレビの取締役相談役・日枝久氏。もうひとつの顔はテレビや新聞、ラジオなどのメディアから美術館などでの文化事業まで78社、4法人、3美術館、約13000人の従業員からなるフジサンケイグループの“代表”です。
27日の会見場に姿を見せることはありませんでした。
フジテレビ 遠藤龍之介副会長
「(Q.なぜ日枝久取締役相談役がいないのか。組合からも要求があったと聞いている?)この会見自体がフジテレビの問題ですので、フジテレビの会長・社長以下で対応しています」
フジ・メディアHD 金光修社長
「(Q.皆さんの力で日枝さんを辞めさせるという発想はないのか?)現場に直接タッチしていないという立場ですが、その影響力は大きいと思います。企業風土の礎を作っていることは間違いない」
■フジテレビ初“視聴率三冠”を達成
1961年、設立わずか4年目のフジテレビに入社した日枝氏。若いころは社員の待遇改善を求めようと労働組合の結成に奔走したため、経営陣と対立することもあったといいます。42歳の若さで局の司令塔とも言われる編成局長に抜てきされると手腕を発揮。「楽しくなければテレビじゃない」を合言葉に、若者に支持されるバラエティー番組やテレビドラマを次々と生み出し、フジテレビは初の視聴率三冠を達成するまでに至りました。
その後、取締役となり、1988年に社長に就任した日枝氏。1992年に大きな“転換点”を迎えます。
フジテレビ 鹿内宏明会長(当時)
「支持がなければ地位に恋々とするつもりは毛頭なく、率直な意思疎通がないまま今回の事態に至ったことは誠に不本意」
創業から30年以上、グループに大きな影響力があった創業家、鹿内一族を退け、名実ともにトップに。東証一部上場をはじめ、持ち株会社体制への移行を推進し、グループ内での力をより強くしていきました。
2001年に約13年務めた社長を退任し会長職につくと、2003年にはフジサンケイグループ代表に。2005年、ライブドアによるニッポン放送買収騒動が起きると、その矢面に立ち、買収を阻止しました。
フジテレビ 日枝久会長(当時)
「フジサンケイグループ全体のシナジー効果がいっそう高まり、21世紀の勝ち組メディアとして生き残っていくための経営基盤の強化を図ることが可能に」
2017年に会長職を退いてからは、現在まで取締役相談役を務めています。
■“出処進退”社内からも責任問う声
フジ・メディア・ホールディングスの株式を保有するアメリカの投資ファンド、ダルトン・インベストメンツの関連会社は去年5月、日枝氏を思わせる内容の書簡を取締役会宛に送っていました。
ダルトン・インベストメンツの書簡(去年5月)
「貴社の取締役会のメンバーの平均年齢は日本のどの企業よりも高い部類に入ります。一人の取締役はなんと41年も在任しています。全ての株主たちに対し『社内』取締役候補者全員の再選に反対票を投じるように呼び掛ける予定です」
外部から求められていた経営陣の“退陣”。先週、遠藤副会長は…。
フジテレビ 遠藤龍之介副会長
「(Q.日枝さんの体制が一新されないと変われないのでは?)全てのことが日枝が決めていると言われるが、そんなことはない。ただ、影響力があることは間違いない。日枝自身がどうするか、私がここで申し上げることではない」
そして、27日の会見では…。
フジテレビ 遠藤龍之介副会長
「(Q.日枝氏は責任を取らないのか。自分自身で辞めるということを言わなかったのか?)個別の局面でどういう会話があったか控えさせていただきますが、それぞれの出処進退についてかなり濃厚な話をしました」
「(Q.この前の会見の際に(日枝氏の)影響力はあると言った。日枝氏が会見に出ずに退任もしないのはどう思う?)日枝がここに来る来ないというよりも、今後それぞれがどういう責任を取るかが重要。これから嘉納会長と港社長が退任したフジテレビは新組織になりますが、あくまで暫定的なものになります。第三者委員会の報告がいつ出るか分かりません。その時期をひとつのめどとして、それぞれの役員がそれぞれの責任を取るべき。それは常勤役員全員に波及するものと思っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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