備蓄米放出へ農水省の業者説明会始まる 専門家「入札次第では価格上昇も」【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年2月18日)

 備蓄米の放出へ向けて農水省が業者への説明会を始めました。しかし、専門家からは放出してもコメの価格は下がらないのではないかという見方が出ています。

■価格高騰で“コメ離れ”加速

 17日、都内のスーパーを訪ねると、ある異変が起きていました。

スーパーたなか3丁目店 田中達人店長
「コメの値段自体がかなり上がったので、やっぱり量を減らされているという話は聞きますね」

 去年は、買いたくてもすっからかんで買えなかったコメ。今は多くのコメが並んでいますが、値段が高すぎて売れない“コメ離れ”が進んでいました。

30代
「かなり高くなったので、買い渋っています。まだ1回も値段が上がってから買っていないです」

70代
「(Q.コメを買う頻度は?)いつもよりは減りましたよ。パンとかラーメン食べるとかね」

 SNS上でも「スーパーにパスタを買いに行ったら棚が空。みんなコメが高いからパスタを食べているのかな」というコメントがありました。

 先月のコメの小売価格は一年前のおよそ2倍。5キロ当たり4000円を超えています。

40代
「早くどうにか…通常の値段に戻る術を考えてほしい」

■備蓄米放出も「上昇可能性」

 こうした状況を少しでも改善しようと、政府が先週決定したのが備蓄米の放出です。

 17日に農林水産省では、入札に参加する可能性のある集荷業者を集めて、初めての説明会が行われました。

 会場に来た11人のほか、オンラインでも200人ほど申し込みがあったといいます。

 第1弾として放出される15万トンについて、こうした業者が、買いたい「金額」や「量」などを指定して入札することで、高値を付けたところから順番に購入できる仕組みです。

 まさに、「いくらで入札するか」がカギとなりますが…。

農水省担当者
「どういう価格になるのかなという話はありましたけど、『価格については我々から申し上げられません』と答えた」

 備蓄米の放出で、コメ価格は下がるのでしょうか?市場では店頭価格が「1~2割値下がりする」との観測も浮上するなか、江藤農水大臣はあくまで「流通の円滑化」が目的だと説明します。

 ただ、コメの値下がりには懐疑的な専門家もいます。

宇都宮大学 小川真如助教
「入札がうまくいくのかっていうところ。入札価格が高く競り合っちゃうという可能性はあるわけで。そうなってしまうと、巡り巡って小売価格は下がらない。むしろ上がってしまう可能性もあるということになります」

 このままでは、さらにコメ離れが進む可能性もあります。

小川助教
「政策自体はやっぱり物流対策なんです。流通の目詰まりを解消するというのが目的で、スーパーの小売価格を下げることが直接の目的ではない。消費者への期待感みたいなものをあおってしまって、政策が失敗してしまう可能性も出てきたなと思っています」

(「グッド!モーニング」2025年2月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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