
11日朝、東京・新宿区の路上で動画配信中だったとみられる20代の女性が40代の男に刺されて亡くなる事件が起きました。
元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さんに詳しく話を聞いていきます。
青井実キャスター:
被害女性は動画配信中だったという話があるわけですが、この犯行から何が見えてくるんでしょうか?
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
今回の犯行は殺意が明確であり、明確な殺意を持っている者が、被害者の場所についてリアルタイムの配信を見て確認を取ったということ。これはかなり危険な配信だったと感じています。居場所が分かる、リアルにどこを歩いているのか分かるということですね。
青井実キャスター:
男は女性とトラブルがあったという趣旨の話をしているわけですが、動画配信が事件に関係しているとしたら、どんなことが考えられますか。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
これはまだ明らかになっていないことがあるんですが、もしこの容疑者が動画配信の視聴者であるということであれば、今、配信者を応援する気持ちで“投げ銭”という、お金を渡す、お金を投げ銭するシステムがあるんですね。過去、こういった動画配信者のトラブルの中で、こういった投げ銭を行うことで配信者側と視聴者側のミスコミュニケーションが起きて、それがトラブルになる可能性が十分、あるなと。過去の事件からもあるので、これは後の捜査で明らかになると思います。
青井実キャスター:
お金の受け取り手と出し手の関係になってしまうということですね。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
そうですね。ある意味、投げ銭を重ねることでいろんな視聴者側が多くを求めてしまい、配信者側はそれの期待に応えることができないと、そういった形でトラブルになるということは過去にもありましたね。
青井実キャスター:
男は刃渡り13cmのサバイバルナイフで女性の頭、首、胸などを刺して死亡させているわけですが、一方で「殺そうとは思っていませんでした」と殺意を否認しています。この供述はどう見ますか?
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
この供述には多く矛盾があると思います。実際、刃渡り13cmという殺傷能力の高いナイフを2本、所持していたということと、刺してる部位ですね。顔や首や胸、複数箇所を刺しているわけですから、これは、現場の状況からしても殺意が明確であるということは立証できると思います。それにおいては、容疑者の供述との矛盾が多くあるということです。
SPキャスター・山口真由氏:
ファンとの距離感とか、位置情報を発信するリスクというのは指摘されてきましたけど、もしそういうリスクが顕在化したのならば、そういうのは自己責任で身を守るしかないのか、その身を守るシステムを提供できるのか、議論すべき時期なのではないかという気がします。
青井実キャスター:
女性が動画配信をしていた前提になるわけですが、良くない視聴者をブロックすることもできると思うんですけれども、その辺りはどうでしょうか。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
もし、これがお金の中で投げ銭という関係性がある場合は、やはりお金をくれると、ブロックをするとお金をもらえないという関係性があってブロックできなかったというのも考えられます。ただ、こういったトラブルがあった場合は、配信者側から明確な意思でお金を受け取らないという、こういった流れを作ることも必要なんじゃないかなというふうには感じていますね。
青井実キャスター:
犯行の動機、2人の面識については捜査中ですが、今後どのように捜査していくのでしょうか。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
犯罪行為の立証においては、現行犯逮捕されていますので問題なくできると思いますが、やはり動機ですね。あとは容疑者と被害者の関係性。動機につながるような金銭トラブルといったものがあったのか否か、こういったことは捜査で明らかにしなければいけないと思います。
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