
現行犯逮捕された俳優の広末涼子容疑者(44)。
テレビに復帰した矢先の傷害事件となりましたが何があったのか、元埼玉県警捜査1課の佐々木成三氏と見ていきます。
青井実キャスター:
広末容疑者の身柄は(8日午後5時現在)浜松西警察署にあるということですが、どんな状況だと分析できますか?
元埼玉県警・佐々木成三氏:
逮捕した掛川警察署で取り調べをするのではなく浜松西警察署で取り調べするということは、留置所の収容施設が、浜松西警察署の方が新しい警察署なので、女性専用の留置所施設があるからという理由だと思います。
青井実キャスター:
当初、「自称・広末涼子容疑者」と報じられ、「自称」とついていました。本当に広末容疑者なのか注目を集めたわけですが、「自称」というのは、なぜこのようになったのでしょうか?
元埼玉県警・佐々木成三氏:
これは決してまれなことではないですね。特に現行犯逮捕される時は身分証を持っていない時がよくあります。本人は名前をこう言っているんだけれども名前が本当にあってるかどうか、警察が確証するには、身分証だったり、そういったものがない場合は全て警察は「自称」というものをつけて公表するんです。
青井実キャスター:
免許証は持っていたはずですよね?
元埼玉県警・佐々木成三氏:
一部情報においては車の中に免許証が置いてあったということで、逮捕時は身分を証明するものは持っていなかったと。
青井実キャスター:
佐々木さんの経験で「自称」というケースはあったということですか?
元埼玉県警・佐々木成三氏:
僕が現役の時もありました。例えば、外国人だったり、身分証を持っていない場合、その場合は「自称」をつけて、逮捕してから本人確認という中で捜査をして自称をとる。今回の流れはまさしくそうだと思います。
いまだに多くの疑問が残るのは病院内で何があったのかということですが、広末容疑者が現行犯逮捕された当時の状況を詳しく見ていきます。
7日午後6時50分ごろ、大型トラックに追突して事故を起こしました。
その事故によって広末容疑者は軽いけがをして、病院の救急センターに搬送されました。
順番待ち、治療待ちをしている間に院内をうろうろと歩き回っていたといいます。
そして、その様子に気づいた看護師の女性が広末容疑者を追いかけていったところ、午前0時20分ごろ、広末容疑者が看護師の足を複数回蹴り、腕をひっかくなどの暴行を加えたといいます。
そしてその後、事故の捜査に訪れていた警察官が取り押さえ、午前0時54分ごろ、広末容疑者を傷害の現行犯で逮捕したということです。
逮捕当時、広末容疑者は会話にならないような状態で暴れ始め、どうにもならなくて現行犯逮捕に至ったということです。
車にはマネジャーを名乗る男性が同乗していたという情報がありますが、別の病院に搬送されたということで、この時には居合わせていないということです。
青井実キャスター:
事務所は「病院において一時的にパニック状態に陥った結果、医療関係者の方にけがを負わせてしまいました」とコメントしているわけですが、パニック状態どう見ますか?
元埼玉県警・佐々木成三氏:
事故を起こした前とあとからも、かなり精神的な不安定な状態が続いていたということだと思います。その中で、待合室で今回の事件があったということなので、この午前0時という時間を考えると、治療を終えて車もない、マネジャーもいない状態では1人で帰すわけにもいかないので、待合室の中でかなりうろうろしていた。その中で看護師に暴行をした事件になったんだなとは思います。
青井実キャスター:
事故から5時間半後の午前0時20分ごろということですが、軽傷だとしても未明までかかるものなのかというのもありますが。
元埼玉県警・佐々木成三氏:
もしかすると治療を終えて待合室で待機していたことも考えられますね。例えば、午前0時20分において、警察官が障害で現行犯逮捕したという形になっていますが、これ深夜において事情聴取はしていないですね。これは任意なので夜間の取り調べはしませんので。午前0時20分に女性に暴行をして逮捕が午前0時54分とすると、看護師の女性が暴行を受けて警察に110番通報があって、現場に行った警察官がまさしく時間的接着性と犯人の明白性を明らかにして現行犯逮捕ということだと思います。
青井実キャスター:
事故後に実施されたアルコール検査では問題はなかったということですが、言動に不審な点などがあることなどから今後、薬物検査を行う方針だということですがこの辺りはどう見ますか。
元埼玉県警・佐々木成三氏:
警察においては何でも捜査しなければならないと。1つでも疑いがあった場合は、精神的な不安定な部分においては、例えば既往歴、内因的なものか外因的なものか、これは検査しなければいけないという中においては、薬物検査というのはやらなければならない1つの捜査だと。
青井実キャスター:
すぐに結果は出るんですか?
元埼玉県警・佐々木成三氏:
薬物検査にも簡易検査と本鑑定というものがあって、簡易鑑定の場合はすぐ出るんですが、今回、容疑者は逮捕されているので、簡易鑑定よりはより確度の高い本鑑定にする場合は数日かかる場合があります。
広末容疑者の今後ですが、事務所によりますと、「本人は当面の間全ての芸能活動を自粛する運びとなりました」と発表しています。
捜査を行う掛川警察署によりますと、イレギュラーなことがなければ9日、検察庁に送検される見通しだということです。
青井実キャスター:
今後の捜査はどうなっていくのでしょうか。
元埼玉県警・佐々木成三氏:
明日送検されるということで、警察署の判断で釈放する場合もあります。ただ、これにおいては取り調べを終えて、証拠隠滅と逃走の恐れがないと判断した場合は、警察署長の判断で身柄を釈放する場合もあります。明日、送検された場合においては、今度は裁判所が、勾留を受けるうえで「これは勾留の必要性がない」と判断された場合は明日釈放される場合もあります。ただ、私の個人的な考えだと、今取り調べが全くできない状態だということなので、そうなってくると、勾留が付いた場合は最低10日間の勾留がつく場合もあります。
青井実キャスター:
発端となった事故の捜査はどうなっていくんでしょう?
元埼玉県警・佐々木成三氏:
人身事故なのか物損事故なのかで大きく変わってきますね。ただ今回の捜査は物損事故は全く関係ないですね。あくまでも傷害事件の勾留の必要性があるか否かの判断になりますね。
青井実キャスター:
本当に驚きの事件ですが、今後の取り調べにおいてどういうところがポイントだったりするんですか?
元埼玉県警・佐々木成三氏:
今回現行犯逮捕なので、犯人の明白性はしっかりしている中での、看護師さんもけがを負っている中での捜査になります。これにおいては容疑者の取り調べで、どういうような供述をするのか、動機にあたるもの、こういったものがない限りは警察においては、やはり勾留をして捜査をしなければいけない判断をすると思いますね。
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