
アメリカのバンス副大統領が、トランプ大統領が購入に意欲を示すデンマーク自治領のグリーンランドに到着し、米軍の宇宙軍基地を視察しました。グリーンランド自治政府の首相や、地元住民らは不快感を示しています。
■トランプ氏“買収に意欲的”
日本時間29日未明、会見を行ったトランプ大統領。初めに記者から飛んだ質問は、カナダへ課した追加の自動車関税についてでした。
女性記者
「カナダが報復関税を実施したら、さらなる報復はあり得るか」
トランプ大統領
「もちろんです。ただ、カーニー首相とはきょう、いい話し合いができました。カナダとアメリカはうまくやっていけると思います」
世界の関心を集めている“トランプ関税”。もう一つ、今、世界が注目しているのが、アメリカ政府によるグリーンランドの“買収”です。
トランプ大統領
「国際安全保障上、グリーンランドは非常に重要です」
デンマークの自治領であるグリーンランド。アメリカ政府は第一次トランプ政権や、それ以前から買収に意欲的でした。
その理由として、グリーンランドは北米から欧州への最短ルートにあって、安全保障上重要な位置を占めています。さらに近年注目されているのが、レアアースなどの地下資源です。中国との採掘競争を行ううえで欠かせないとみられます。
■現地不快感「招待していない」
こうしたアメリカのグリーンランド進出の動きに、危機感を抱いているのがロシアです。
プーチン大統領
「トランプ大統領の大げさな話だと思うのは大きな間違いであり、アメリカが北極圏、北極海航路の構築における地政学的、軍事的、政治的、経済的利益を推し進めることは明らかです」
現在、グリーンランド西部に軍の施設を設けているアメリカ。さらなる存在感を示すため、現地に乗り込んだ人物が。それがバンス副大統領とウシャ夫人です。
日本時間29日未明、空港に到着しました。その後、軍の施設を訪れたバンス氏。兵士たちの前でグリーンランドの重要性を話しました。
バンス副大統領
「ロシアと中国の安全保障上の関心が拡大しています。両国のグリーンランドへの侵略を無視できないということです。私がグリーンランドの人々に申し上げたいのは、デンマークの安全保障の傘の下にいるよりも、アメリカの傘の下にいる方がずっと良いと思います。私たちの主張は、グリーンランドへの投資も、安全保障の構築への投資も不十分な、デンマークの指導者たちに対するもの」
一方、グリーンランドの住民はというと、今回の訪問を冷ややかに見ているようです。ウシャ夫人のアテンドを打診された旅行会社は次のように述べています。
グリーンランドの旅行会社
「検討した結果、私たちは訪問の背景(買収)を受け入れられず、訪問を望まないことを領事館に伝えました。グリーンランドはグリーンランドのものです」
グリーンランド自治政府のエーエデ首相も「招待していないし、応対する気もない」とコメントしています。
(「グッド!モーニング」2025年3月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
powered by Auto Youtube Summarize