
飲食業界で広がりをみせている「紙ストロー」を巡り、アメリカのトランプ大統領が驚きの宣言をしました。
トランプ大統領は7日、SNSの投稿で「来週、大統領令に署名してバカげたバイデンが推薦してきた役立たずの紙ストローを廃止する。プラスチックに戻す!口の中で溶けてしまう不快なストローなしで飲み物を味わって!」と訴えました。
近く紙ストロー導入を中止する大統領令に署名すると宣言したのです。
海洋プラスチック問題が注目を浴びた2018年ごろから、プラスチックストローの代わりとして世界的に導入が広がった紙ストロー。
日本でも普及していますが、街の人に聞くと「紙(ストロー)だとふにゃふにゃになる。プラスチックの方が最後まで飲みやすい」「子供のころに間違って食べた時の紙の味がする。味が落ちます」「長いこと飲んでいるとスーッとした感じがなくなる紙だと。それがちょっと苦手」「(紙)はまっすぐだけどプラスチックだと曲げられる」などと、環境に優しい反面、厳しい意見もありました。
また、大手コーヒーチェーン「スターバックスコーヒー ジャパン」は3月以降、紙ストローを廃止する方針。
ただしプラスチック製に戻すのではなく、バイオマスプラスチック製ストローに変更されます。
すでに沖縄のお店では導入が始まっています。
バイオマスは、植物などを使った再生可能な資源で、二酸化炭素の排出を削減し、廃棄物も5割減少。
微生物によって生分解されるため、環境問題の解決にも貢献するといわれています。
コンビニ大手・セブン-イレブンの「セブンカフェ」でも同じ素材のストローが使用されています。
このように“バイオマスストロー”に変更する企業もありますが、一方でなかなか進まない事情もあります。
バイオマス製品に詳しい三重大学の野中教授によると、「生分解性(バイオマス)ストローのコストは公表されていないですが、確実に紙ストローよりもさらに高いと思います」といいます。
「従来のプラスチック」、「紙」、「バイオマス」のメリット・デメリットをみると、紙やバイオマスは環境にはいいものの、プラスチックよりコストが高くなるといいます。
特にバイオマスは、素材によってはさらに一層コストがかかってしまうというのです。
環境とコスト、難しいバランスですが、試行錯誤中という都内のカフェ「Choi Gabu」は一時は、紙ストローで提供していたといいますが、「1人で2本くらいですかね。ふにゃふにゃになるから途中で変えてくださいと言われたり、結局そこでまたコストもかかる」と、結局、従来のプラスチック製のストローに戻すことになったといいます。
一方で、街では「バイオマスで(消費者が)お金を少し払ってスーパーの袋を買うのと同じなので10円とか5円くらいがベースならありかな」という声もありました。
バイオマスプラスチック製のストローは今後広がりを見せるのか、野中教授は「セブン-イレブンやスターバックス以外、どんどん増えてくると思う。今はどの企業もプラスチックを何とかしないといけないと思っている。世界のほかの企業もどんどん参入してくるので、生産設備が大きくなるとコストも下がる」と話します。
トランプ大統領の突然の宣言で注目されるバイオマスストロー。
今後の普及に期待したいところです。
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