
28日に埼玉県八潮市の交差点で道路が陥没し、トラックが転落した。転落したトラックの荷台部分は引き上げられたが、道路の新たな部分が陥没し、市が周辺の住民に避難指示を出している。
■トラック転落 救助隊員が負傷
道路が陥没したのは、車通りが多い埼玉県八潮市にある交差点だ。トラックが巨大な穴に転落した。
目撃者
「ドンという音がしたので、道路を見たら穴が開いていた。その後すぐトラックが落ちていった。普通にスッと中に入って」
穴の直径はおよそ10メートル、深さはおよそ10メートル。トラックの男性運転手が取り残されているという。
救助隊
「頑張って!」
救助隊が拡声器を使って呼びかける様子も。通報からおよそ1時間半。クレーンにつるされた隊員2名が穴の中へと入っていく。
救助隊が、穴に入って5分ほどすると。
救助隊
「上げろ!上げろ!上げろ!」
上がってきたのは、隊員のみで運転手の姿はない。地上に戻ってきた隊員1人がしゃがみ込み、その後、担架で運ばれていく。消防によれば、救助に入った隊員は落下物で負傷したという。
■トラック救助中に有毒ガスか
穴の中には壁のような構造物が。実は、陥没のあった交差点の地下10メートルほどの場所には道路に沿う形で、県が管理する下水道管が通っている。
しかも、近隣12の自治体からの下水がこの場所を通り、下水処理場へと送られるまさに大動脈だ。
埼玉県 大野元裕知事
「下水道管の破損に起因すると思われる陥没が発生した。管渠(かんきょ)(排水管など)の老朽化などによって、ガス、硫化水素などが原因であると思っている。ただ、これが判明しているわけではない」
下水に含まれる生ゴミなどから発生した硫化水素は、空気に触れると硫酸となり管をとかしてしまうことも。破損した所から土砂などが流れ込むことで、地中に空洞が広がり陥没が起きた可能性もあるという。
現場では一時、有毒ガスが発生した可能性があるとの情報があった。
陥没した穴には、黄色いホース状の管が2本設置されているのが分かる。隊員や閉じ込められた運転手が酸欠にならないよう空気を送り込んでいるという。
穴の中では、大量に水が流れ出し、周りの土砂が崩れやすく、作業は難航。午後5時すぎには、トラックの前方が土砂で埋まってしまっている様子も確認できる。
この事態を受け、埼玉県は一部地域に下水道の使用制限を通知した。
現場近くに住む人を訪ねてみると次のように話した。
住民
「(Q.下水道の使用制限のお願いが発表されたことは?)知らないです」
「(Q.これから夕飯の支度もあるが?)困りますね。いつまでなのかも分からない。制限といっても、どれくらいのものなのかも記載されていない。うちのお風呂も水をためるとなると大きいので。ちょっとお風呂は控えなきゃダメですよね」
近隣12の自治体、およそ120万人に対し、下水道の使用を控えるよう呼び掛けた。
さらに周辺では、28日午後4時時点で、光回線を利用したインターネットや電話がおよそ1300回線、固定電話がおよそ400回線利用できなくなっている。
■ワイヤ切れ新たな陥没も
通報から8時間、クレーン車やはしご車が追加で到着し、懸命な救助活動が続けられている。
穴の中にたまり始めた土砂で運転席のドアが開かないため、車体ごと引き上げることに。クレーン車を使ってワイヤでトラックを引き上げようとするが、トラックに取り付けたワイヤが切れてしまった。
穴の周りの地盤が弱く、クレーン車が近付いて作業ができないため、うまく持ち上げられなかった可能性がある。
発生から15時間。さらに太いワイヤ2本が準備され、慎重にゆっくりと引き上げられるトラック。ようやくトラックの荷台部分は引き上げられたものの、運転席は、いまだ穴の中に…。新たな陥没も発生した。
アナウンス
「陥没現場から半径200メートル以内に避難勧告が出されています。ただちに避難をお願いします」
新たな陥没部分からはガス漏れの危険性もあり、周辺住民の不安は続く。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年1月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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