備蓄米販売「利益求めない」5kg2000円 随意契約に流通大手が次々名乗り【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年5月27日)

 政府は、コメ価格の高騰を抑えるために備蓄米の放出方法を大転換しました。集荷業者や卸しを通さず、小売業者に直接安く売り渡します。契約を申し込んだ企業の一つは、来月2日に5キロ2000円で売ると宣言しました。

■備蓄米「随意契約」7社が名乗り

 26日夜遅く、報道陣の取材に応じた小泉進次郎農林水産大臣。

「説明会には300社以上、参加人数は400人超え。これは想定をはるかに上回ることです」

 備蓄米の随意契約に、初日だけで7社から5万8000トン分の申込みがあったと明らかにしました。

 小泉農水大臣の就任から、まだ1週間足らず。急ピッチで、コメ高騰への対策が進んでいます。

「コメの価格は去年と比べ、約2倍に上昇しています。政治決断で、随意契約で売り渡すことに決めました」

 政府が新たに始めた、備蓄米の「随意契約」。これまでの「一般競争入札」と違い、スーパーなどの小売り業者に備蓄米を直接売り渡すため、安く、早く、消費者に届けることを狙っています。

 前回の備蓄米放出では、落札価格の平均が60キロで2万2000円ほどでしたが…。

「平均で税抜き1万700円です。一般的なマージンを踏まえて試算すれば、小売価格では5キロあたり2000円程度となる水準です」

 今までの半額近い金額で備蓄米を放出するほか、指定場所までの輸送費も国が負担。将来の買い戻しも求めません。

 夕方から開かれた農水省の説明会には、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の運営会社や生活用品大手の「アイリスオーヤマ」など、318社が参加しました。

質問
「玄米のみの販売も可能でしょうか?」

農水省の担当者
「消費者に対して玄米で販売されるという趣旨であれば大丈夫」

 契約は“先着順”です。アイリスオーヤマは説明会の最中に、申し込みのメールを農水省に送りました。

アイリスオーヤマ 田中伸生管理本部長
「6月2日には販売できるかなと」

 1万トンの購入を希望していて、ほかのコメとブレンドせずに「政府備蓄米」として販売します。

アイリスオーヤマ 大山晃弘社長
「税抜き2000円で行きたい」

 ドン・キホーテも安く売ることに自信を見せます。

「ドン・キホーテ」を運営PPIH
初山俊也常務執行役員
「総合ディスカウント事業ですから、ほかで利益をとることができる。コメに関しては利益を求めない形でやろうと」

 備蓄米は玄米で届けられるため、課題もあります。

「精米するところを小売りは持っていないことが多い。袋の確保と精米所の確保が、一番のボトルネック(課題)」

 他にも大手小売りでは、セブン&アイが「参加を決めた」ほか、イオンも「前向きに検討」しています。

 格安スーパーのオーケーはすでに申し込みをしていて、精米工場も手配済みだということです。また、LINEヤフーと楽天グループもネット販売での取り扱いを前向きに検討しています。

■「5キロ2000円」に、複雑な思い抱える人も

 5キロ2000円という価格に、街の反応は「ありがたい」「(今の)半額近くになるならうれしい」「2000円っていうのは、ちょっと大丈夫?って(思う)」というものでした。

 複雑な思いを抱えている人もいます。

丸山商店 丸山理一代表
「(Q.客が安いコメに行く懸念はある?)ありますね。それはしょうがない。日本政府のやり方はおかしいんじゃないか」

 この店のコメの仕入れ価格は上がる一方で、今は60キロあたり3万5000円ほど。1万700円で放出される備蓄米とは大きな差があります。

「昔ほどは利益を取ってないので(価格は)抑えるつもりだが、仕入れが上がれば上げなきゃしょうがない」
「(Q.コメ店としては、ブランドにこだわる?)それで生きていこうかなと。そういう考えでやっています」

(「グッド!モーニング」2025年5月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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