【流血・失禁・錯乱】中国「激走!出稼ぎ列車50時間」上海を目指す農民たちを壊す“極限のカオス”(1994年4月 放送「筑紫哲也 NEWS23」より)|TBS NEWS DIG

暴力、流血、失禁、奇声、錯乱・・50時間続く極限状態は人々を壊していく。

「激走!出稼ぎ列車50時間」中国が発展途上国だった1994年「筑紫哲也ニュース23」では「シリーズ発熱アジア」と銘打ち急成長を遂げる中国各地の”光と闇”を取材した。

地方から都市を目指す出稼ぎ労働者(盲流と呼ばれた)。彼らが乗った”盲流列車”の壮絶な極限状態50時間をカメラが捉えた。

【取材】TBSテレビ 谷口潤一
(「筑紫哲也NEWS23」1994年4月OA )

元TBSテレビ「報道特集」キャスター金平茂紀氏は著書「筑紫哲也『NEWS23』とその時代」(2021年11月発行)の中でこの企画について次の様に記している。

「中国・盲流列車」の突出

大テーマ主義を進めるなかで、『筑紫23』初期のデスク編集長であった辻村國弘氏や杉崎一雄氏が口を揃えて「あれは凄かった!」と激賞する特集がある。1994年4月5日に『筑紫23』 で放送された「中国・盲流列車」(放送時の正式タイトルは「激走! 出稼ぎ列車 50時間」だが、部内で は全員が「盲流列車」と言っていた)という特集である。「発熱アジア」というシリーズのひとつだっ た。この回を書くにあたって、その特集をみた。いやはや、すごいや。今から20年前にはこんなパワフルな特集を出していたんだ。視聴者がみるわけだ。

「盲流列車」とは、中国の地方から大都市へ奔流のごとく殺到する出稼ぎ労働者たちを運ぶ列車のことをいう。取材班が追ったのは、四川省の農村・太和から上海に出稼ぎに出た7人と同じ列車に同乗したルポだが、2100キロの道のりを50時間かけて移動する。自由席(硬座)の座席を求めて激しい「空間」の争奪戦が展開される。座席の数どころではなく、文字通り「隙間」を確保するのだ。とにかく、貧しい家族の生活を支えるために出稼ぎに出ようと命がけの移動を行う。窓からもどんどん乗り込む。熱気と人いきれで車内は蒸し風呂と化す。

『23』から列車に乗り込んだのは、谷口潤一ディレクター(現TBSテレビ報道局編集部)だった。 彼が持って入った8ミリビデオカメラのレンズが熱気でみるみる曇っていった。あまりのすし詰め状態になり、危険だと判断した鉄道公安警察官が、乗客の一部を無理矢理、引きずり下ろして いく。そのシーンが強烈だ。殴ってもいた。身動きできないのだからトイレにも行けない。多くの乗客は垂れ流し状態。すごいことになっていた。VTRの終わりに近い部分で「発狂・意識不明25人」というスーパー (字幕説明)が入っていた。とうとう50時間かけて上海に着いた出稼ぎの男性に聞くと「上海で仕事をするまでは、と思って耐えました」。民衆のエネルギーというか、逞しさというか。驚くことにその表情が実に純朴なのだった。考えてみれば、この凄まじい エネルギーが中国の今につながっているのだ。その意味ではこの企画の突出した先駆性を誇ってもいい。

~中略~

前述した谷口潤一と一緒に20年ぶりに当時のVTRをみた。谷口は今でこそ温厚な紳士だが、『筑紫23』当時のことを考えると、何かと伝説の多い人物だった。
「この『盲流列車』は自分でも一番記憶にある記念碑的な企画ですね。オンエアが終わって大部屋に戻ってきたら、当時のタコ社長が『これはすごい映像だな。よくやった』と言って涙を流して僕の手を握ってきたことを覚えてるんですよ」
タコ社長とは当時のデスクのひとり、前述の杉崎一雄氏である(第4章も参照)。
心に(旗を立てる意志〉を!
僕はこういうものが出せていた1993~94年頃が、『筑紫23』の全盛期のひとつではなかっ たかな、という思いがする。だが、これとて、〈旗を立てる意志〉について、僕が知っている二、三のことがらにすぎない。

~後略~

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