地元メディア「搭乗者全員死亡」インド機が離陸直後に墜落 原因はエンジン停止?【報道ステーション】(2025年6月12日)

インド・アーメダバードで、乗客乗員242人を乗せたエア・インディアの旅客機が、離陸直後に緊急事態を知らせる信号を出したあと、墜落しました。

旅客機は、ロンドン・ガトウィック空港に向かう予定でした。

約800万人が暮らすアーメダバードは、西部の主要都市の一つです。墜落したのは、周囲に病院が点在する空港近くの住宅地。地元メディアによりますと、医師の宿舎があったということです。

住民
「大きな音が聞こえ、地震のように揺れました。外に出ると煙が見えました。墜落とは知りませんでした。ここに来て墜落を知りました。遺体がたくさんありました」

墜落したのは、“ドリームライナー”の愛称で知られるボーイング787です。
墜落した機体は、度々、日本にも来ていて、航空機追跡サイトによりますと、直近では、10日、羽田からデリーへ飛行していました。

今回の機長は、8000時間を超えるフライトをこなしている大ベテラン。加えて、ボーイング787に関していえば、初めての墜落事故です。

航空専門家 ジェフリー・トーマス氏
「(Q.これまでB787機に問題はあったのか)運用開始当初は、バッテリーに不具合が生じていましたが、新たなリチウム電池を採用し、解消されています。傑出した航空機として、1000機以上が導入されていて、B777やエアバスA350と並んで、長距離国際線を支えています」

尾翼のみを残して、機体はすべて、建物に突っ込んでいました。

インドメディアは、乗客乗員242人、全員が死亡したと伝えています。
乗客は、インド人をはじめ、イギリス人やポルトガル人など、多国籍にわたっていますが、日本人が巻き込まれたとの情報はありません。

墜落した住宅地でも、5人の死亡が確認されています。

墜落したのは、モディ首相の故郷・グジャラート州の主要都市です。

モディ首相
「言葉にならないほど悲痛な思いです。被害にあわれた皆さんにお見舞い申し上げます。被害者支援のため、関係閣僚および当局と連絡を取り合っています」

旅客機が向かうはずだったロンドンの空港では大きな混乱は見られませんでしたが、ロンドンにあるエア・インディアの支店では、スタッフがオフィスにこもり、対応に追われています。

イギリス政府は、緊急対応チームの設置を決めています。

◆墜落した旅客機は、ボーイング787。2011年から運行し、これまでに10億人以上の乗客を乗せている機種です。

飛行機から発信される位置情報などを元に、飛行コースを公開している『フライトレーダー24』を見ますと、離陸してから約4分後、190メートルまで上昇しましたが、それ以降の記録が途絶えています。

墜落する直前の様子をとらえた映像を見てみますと、機体は、ある程度、姿勢を保っているようにも見えますが、高度が上がらず、そのままの姿勢で、墜落しているのがわかります。飛行中、機体から煙や炎が上がっている様子は、映像からは確認できません。

日本航空の元機長で航空評論家の小林宏之さんは「こういう事故は聞いたことない。ボーイング787は、機体もエンジンも非常に信頼性が高い」と指摘します。

そのうえで「本来、離陸直後なら、もっと機首が上を向いているはずで、当該機は、揚力(浮上する力)を失ったように見える。パイロットは揚力を得ようと、機首を上げているが、それができずに墜落したようにみえる。エンジンが1つでも稼働していたら、十分飛行は可能。映像を見る限り、2つともエンジンが停止した可能性がある」といいます。

また、2つのエンジンが停止したことを示すものとして、小林さんは「フライトレーダーの記録」を挙げています。

「航空機の電源は、主にエンジンで発電する。緊急時の動力源としてバッテリーがあるが、計器や管制官とのやりとりに使われる。フライトレーダーの記録が消えたということは、電源が失われたということ。つまり、エンジンが停止したことを意味する」と分析します。

小林さんは、考えられるエンジン停止の原因として、次の3つを挙げています。
●エンジン自体のトラブル
●エンジンに燃料を送る系統のトラブル
●バードストライク(鳥の群れであれば、2つのエンジンに巻き込まれる可能性もなくはないとしています) (C) CABLE NEWS NETWORK 2025
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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