イランがＩＡＥＡ（国際原子力機関）に対し、ウランの濃縮度を２０％に高める方針を伝えたことがわかりました。２０％に引き上げれば核合意の崩壊は必至となり、イランと欧米との対立激化は避けられません。
ロイター通信によりますと、イランは１日、新たに可決された法律をもとに、テヘラン南部にあるフォルド核施設でウランの濃縮度を２０％まで高めると、ＩＡＥＡに伝えたということです。ＩＡＥＡへの書簡には、いつまでに濃縮度を引き上げるかについては明言されていなかったとしています。
アメリカによる一方的な核合意の離脱以降、イランは段階的な合意違反を繰り返していて、ウランの濃縮度は当初定められた３．６７％から４．５％まで上昇しています。一般的に、濃縮度を２０％まで引き上げるには時間がかかる一方で、そこから核兵器への転用が可能な９０％まで高めるのは比較的短い時間でできるとされています。
アメリカのバイデン次期大統領がイランとの対話に向けて前向きな姿勢を示しているなか、イランが対話に応じずに濃縮度を２０％に引き上げれば核合意の崩壊は必至で、欧米との対立激化が懸念されます。
（JNNニュース 1月3日放送）
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