
イランとイスラエル。どちらも中東の軍事大国ですが、国境を接していないため、戦闘機やミサイルなどによる応酬となっています。その戦力を比較してみると・・・
■イスラエル優位の空中戦力イランの防空網は事前攻撃で無力化か
まず、戦闘機についてはイスラエルが340機、イランが287機ですが、イスラエル側はアメリカ製の最新鋭のステルス戦闘機F35などが主力なのに対し、イラン側は旧ソ連製など古い世代の戦闘機が大半で、かなりの戦力差があります。
防空システムについては、イスラエル側は自国製のシステムのほか、アメリカから供給される「サード」などの迎撃ミサイルを配備。一方のイランにはロシア製の「S-300」と呼ばれるシステムがあります。
ただ、今回イスラエル側は、事前に諜報機関「モサド」の工作員をイラン側に侵入させ、先制攻撃のタイミングに合わせ、ドローンなどを使って、この防空システムを破壊していたといいます。
イスラエルに制空権を奪われているイランは、弾道ミサイルが主な反撃手段。ただ、イスラエルを射程におさめるミサイルは2000発ほどとされ、すでに470発を使用しています。
アメリカのシンクタンクは「ミサイルやドローン攻撃を維持できるのは数週間」と分析しています。
一方、イスラエルは戦闘機に搭載する精密誘導弾、ヘリコプター発射型のミサイルなど、数々の兵器はアメリカから供給されているので、戦争を継続する能力でも有利となっています。
さらにイランはNPT=核不拡散条約に加盟していますが、一方のイスラエルは、加盟しておらず、公式には認めていませんが、90発の核弾頭を保有しているとされ、イランもこれまで全面戦争は避けてきました。
■イラン核施設攻撃でアメリカは動くのか…?イスラエルの要求と米のジレンマ
こうした中、アメリカが参戦するかどうかも一つの焦点。取りざたされているのが、イランの核開発施設を破壊する作戦です。
主要な施設の一つは地下80メートル以上の深さにあるとされ、通常のミサイルなどでは破壊できません。
そこで注目されているのが、地下深くに貫通して爆発する「バンカーバスター」という爆弾。中でも、地下60メートルまで貫通できるという「GBU-57」はアメリカ軍しか保有していません。重さも13トン以上もあるため、これを運搬して投下できるのも米軍のB2爆撃機だけなんです。
トランプ政権を戦争に引きずりこみたいイスラエルとしては、まずはこの「バンカーバスター」による作戦をアメリカ側に要求しているといいます。
トランプ氏の判断が今後の展開を左右しますが、本音では、アメリカもイランも直接対決を避けたいところ。では、これ以上のエスカレーションは避けられるのでしょうか。
今回、最高指導者のハメネイ師は“徹底抗戦”を宣言していますが、ペゼシュキアン大統領やアラグチ外相は「“紛争は話し合いで解決する”外交重視派」だとされます。
中東調査会の斎藤主任研究員は、「ハメネイ師は体制の維持を最も重要視しており、大統領らが“このままでは体制が維持できない”とハメネイ師を説得できれば、アメリカの要求を受け入れ、イランがウラン濃縮施設の閉鎖を決断をする可能性もゼロではない。そうなればトランプ大統領がイスラエルに攻撃を停止するよう求める可能性もある」と分析しています。
■日本は非難、G7は支持分かれる国際姿勢
今回の戦闘は、イスラエルによる先制攻撃から始まっています。日本政府は6月13日、「事態をエスカレートさせる今回の行動を強く非難する」と表明。
しかし、6月16日に出されたG7声明では「イスラエルは自国を守る権利を有することを確認する」とし、イスラエル支持を鮮明にしたのです。
イスラエルによる力の行使に端を発した戦闘、国際社会の対応は後手に回っています。
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