
宅配業界で人手不足の厳しい状況が続くなか、届け物を玄関などの前に置いていく「置き配」を標準とする動きが加速しそうだ。その現状に迫った。
■「盗まれるリスク」懸念の声も
マンションに住む人(60代)
「(Q.普段、宅配は利用する?)相当使ってますね。月に2~3回は頼んでます」
いまや、生活になくてはならない宅配。しかし宅配業界は、ドライバー不足や長時間労働などの課題を抱えている。その足かせとなっているのが再配達だ。
国土交通省は再配達を減らすため、置き配を標準のサービスにすることを検討していることが分かった。これまで通りの手渡しには、追加料金を設定できるようにすることも合わせて検討しているという。
置き配の標準化を検討していることについて、街の人はどう感じているのだろうか。
賛成派 マンションに住む夫婦(70代)
「そうすべき。気の毒。(再)配達する人」
「申し訳ない。2回も3回も来ていただくのは」
賛成派
「(Q.国交省の置き配を標準化しようという動きについて)いいと思いますよ」
一方で、こんな意見もある。
反対派 マンションに住む人(50代)
「置き配といっても、置けるような場所が皆にあるわけではない。そういうところをまずきちんと調査して、本当にそれができるのかどうか、まず確認した方がいいんじゃないのかなと」
反対派 マンションに住む夫婦(30代)
「結構、やめてほしいな派。(今は)マンションの治安がいいからなんとかなっているものを、盗まれるリスクがあるな」
置き配が不安だという背景の一つに、盗難が指摘されているが、物流ジャーナリスト・森田富士夫氏はこう指摘する。
「防犯カメラがある家と、ない家ではそういった被害が発生率に違いが出てくるというふうな話を聞きます」
■思わぬトラブルも…
戸建てに住む50代の夫婦は、置き配を巡りあるトラブルに見舞われたという。帰宅すると、段ボールが穴だらけだった。その意外な犯人とは?
「非常食みたいなのを買っていて。届いて、帰ってきた時に玄関の前で、段ボールがブワーって」
段ボールが穴だらけに。その理由は何か。
「カラスがくわえていったみたい」
「電柱の上にそのカラスがとまっていて、下見たら、あったんですよ。頼んでいたものが一袋。あっと思ってとりにいったら、カラスが下りてくわえて飛んでいった」
思わぬ“置き配トラブル”に遭遇したが、置き配標準化への動きには。
「賛成」
「(Q.被害があっても?)宅配の人が大変。何回も来られる」
「すごく大変だと思う」
■トラブル防止に課題
宅配便を巡る状況は深刻になっている。国土交通省によると、現在日本で年間に宅配便が取り扱う荷物の数は、およそ50億個ある。政府は2023年6月、その年のうちに当時の再配達率12%を6%へ半減させるための施策を具体化するとした。
それから2年が経過したが、今年4月の再配達率はおよそ8.4%、都市部だとおよそ9.3%と、長年横ばい状態が続いている。そこで今回のように置き配を標準化しようという動きにつながっているが、そこには課題もある。
物流ジャーナリスト・森田氏によると、「置き配トラブルを防ぐために、確実に届けたことを証明し、それを受取人に伝える。そして盗難以外の誤配や悪天候など、様々なケースでの責任の所在もある程度目安を作り、それに応じて補償制度・保険制度も作っていく必要がある」と指摘している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年6月25日放送分より)
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
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