![中3ひき逃げ事件で最高裁が13日に弁論 2審の判断が見直される可能性も「ひき逃げ・救護義務違反」の解釈がポイント(abnステーション 2024.12.12)](http://hrk2022.s322.xrea.com/wp-content/uploads/2025/02/yt-740876-3132abn2024.12.12.jpg)
2015年、佐久市で男子中学生が車にひかれ、死亡する事故がありました。
ひき逃げの罪に問われ、2審で無罪を言い渡された男性について、最高裁判所は13日に弁論を開きます。
1審の判決を取り消し、逆転無罪とした2審の判断が見直される可能性がある中、専門家は「今回の判断が今後の『ひき逃げ』の解釈を決める」と注目しています。
■被害者の父
「ようやく12月13日に最高裁での弁論が開かれるということをしっかりと息子の墓の前で報告しました」
2015年3月、佐久市の市道で、当時中学3年の男子生徒が車にはねられ死亡しました。
それから9年。父親の実家には男子生徒が亡くなってから植えた、コブシの木があります。
■被害者の母
「植えた時はちょうど息子の身長くらいで170センチくらい。例年になく葉がついている状態なので、息子も長年抱えていた思いに少し希望を感じているのかなと」
車を運転していた男性は、過失運転致死の罪で2015年9月、禁錮3年・執行猶予5年の有罪判決を受けました。
検察は2022年1月、中学生をすぐに救護しなかった」として男性をひき逃げの罪でも起訴。2022年11月、1審の長野地裁は懲役6カ月の実刑判決としましたが、2審の東京高等裁判所は去年9月、逆転の無罪判決を言い渡しました。
■被害者の母
「加害者の行動で最も許せないと思っていたことが、今回の救護義務違反についてです。私たちは息子が交通事故で亡くなったのではなく、直ちに救護されなかったことによって命を奪われたと思っています」
起訴状によりますと男性は事故直後、警察や消防に通報をしないまま、飲酒運転を隠そうと口臭防止剤を買うためにコンビニへ向かい、現場を一度立ち去ったとされています。
道路交通法第72条にはこうあります。
「交通事故があったときは、車両等の運転者その他の乗務員は『直ちに』運転を停止して、負傷者を救護し、必要な措置を講じなければならない。」
ポイントはこの『直ちに』という言葉をどう解釈するかにあります。
実刑判決を言い渡した1審は、「救護義務を尽くすより、飲酒運転の発覚を回避する行動を優先させた」一方、逆転無罪を言い渡した2審は、「コンビニに寄った時間は1分余りだった」「被害者を捜索し、発見後は実際に救護措置を講じている」としています。
1審と2審で分かれた解釈。
刑事訴訟法が専門の東京都立大学・星周一郎教授は…
■東京都立大学 星周一郎教授
「『直ちに』というところで、そこまで強い義務が果たして生じるかというのが高裁の判断。それに対して1審としては事故を起こした直後はとにかく救護に専念してもらいたい、そのための義務なんだという考え方」
「直ちに」という言葉の意味は何なのか。今回の最高裁の判断が今後の「ひき逃げ・救護義務違反」の解釈に大きな影響を与えるということです。
■東京都立大学 星周一郎教授
「多くの場合、口頭弁論が開かれるということであれば2審の判決が見直しになる場合が多い。現実問題としては、その可能性が高い。結論が変わる可能性が高いということですね」
■被害者の母
「他の行為を優先していいというような高裁判決がこのまま確定してしまったら、私たちは何のためにこれまで訴えてきたのか」
■被害者の父
「最高裁の判断が我々の思う通りの判断になることを期待しています」
最高裁の弁論は13日午後2時から開かれます。
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