赤沢大臣きょう渡米 「早い者勝ち」関税交渉 日本カード「アラスカ巨大ガス開発」【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年4月16日)

 トランプ関税を巡る日米交渉のため、赤沢亮正経済再生担当大臣が16日に渡米します。トランプ政権をどう説得するのか、ある交渉カードが浮上しています。

■総理周辺「二転三転しているところにポイント」

 トランプ大統領は日本時間の16日午前5時すぎ、ホワイトハウスに海軍士官候補生のフットボールチームを招き、トロフィーを授与するイベントに出席しました。

トランプ大統領
「きょうは誇り高き海兵隊の退役軍人のJ.D.バンス副大統領も来てくれて、とてもうれしく思います。J.D.(バンス副大統領)はどこにいますか?なんということだ。J.D.に何があったんだ?さっきまでここにいたのですが、きっと中国から電話がかかってきたんですね」

 関税戦争が激化している中国に言及する冗談も交えながら、余裕の表情を見せています。

レビット報道官
「ボールは中国側にあります。中国が我々と取引をする必要があるのです。我々が中国と取引をしなければいけない理由はありません」

 中国に対して強気の姿勢を崩さないトランプ政権。日本との交渉でも厳しさを見せるのでしょうか。

 交渉相手となるアメリカのベッセント財務長官は、現地報道に対し、日本との通商協議については「早い者勝ちになることが多い」と語りました。

日米交渉担当
赤沢経済再生担当大臣
「今回の協議を通じて、米側の担当閣僚であるベッセント長官及びグリア通商代表と信頼関係を築くとともに、米側に対して一連の関税措置の見直しを強く求めていく考えです」

 総理周辺は「トランプ氏の関税政策が二転三転しているところにポイントがある。そういうところを分析して交渉していく」と話していて、交渉を慎重に進めようとしています。

■専門家「非常に大きなカード」 巨額リスクも

 トランプ関税を巡る日本側の交渉カードとしては、非課税障壁の緩和が上がっていますが、今注目されているのがアラスカ州の液化天然ガス開発計画です。

 天然ガスなどが豊富に埋蔵されているとされるアラスカ。バイデン政権のもとでは、環境保護のため保護区での掘削が禁止されていました。しかし…。

トランプ大統領
「掘って、掘って、堀りまくれ」

 化石燃料の増産を最重要課題の一つとして掲げているトランプ大統領は、就任初日に規制を撤回。2月に行われた日米首脳会談では、日本に投資を呼びかけました。

トランプ大統領
「私たちはアラスカの石油とガスに関係して、米日で何らかの共同事業を行うことについて話していて、とても興奮しています」

 日本政府内では、計画への参画を関税を巡る交渉カードとして期待する声が上がっています。

自民党 小泉進次郎元環境大臣
「このアラスカ(開発計画)については、ベッセント財務長官もトランプ大統領も何度も言及していることは事実ですし。もしも日本にとってもプラスなことがあるのであれば、私は考える材料になるのだろうと思っています」

 開発計画は、アラスカ州北部のガス田と南部の港を1300キロのパイプラインで結び、船で液化天然ガスを輸出するというもの。総工費は440億ドル=日本円で6兆3000億円規模に達する巨大プロジェクトです。

和光大学 岩間剛一教授
「今後の日米交渉において、非常に大きなカードになるということは言える。アメリカは、中東と比べて地政学リスクが極めて低い。日本の同盟国から、LNG(液化天然ガス)を安定的に輸入できる。しかも近い。航海日数も10日間で極めて近いところで輸入できる。そういうメリットは大きい」

 液化天然ガスは、火力発電や都市ガスの原料に使われているため、電気やガスの価格が下がることも期待できるといいます。一方で、懸念材料もあります。

岩間教授
「一番問題なのは、プロジェクトの投資額が巨額すぎるということ。開発をしてみたら440億ドルでは足りない、もっと増えるという可能性もある。そうなってくると、プロジェクト自体が採算が取れるのかという話になったりとか、日本が購入するLNGの価格が上がるのではないかという懸念も」

 開発には10年以上かかることから、その間にアメリカで政権交代が起き、計画が頓挫するリスクも考えて交渉する必要があります。

(「グッド!モーニング」2025年4月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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