
20日に発表された米5キロ当たりの平均価格は、先週、わずかに値下がりしましたが、再び上昇に転じました。
主食に手が届きにくくなるなか、江藤農林水産大臣が18日、「コメは買ったことがない」などと発言。19日、石破総理が厳重注意する事態となっています。
江藤拓農林水産大臣
「総理からは『全面的に撤回しておわびを申し上げるべき』と。私も、その通りだと思いますので、全面的に撤回をして、皆様方におわび申し上げたい。(Q.進退を問う声もあるが)私も総理の意向で『辞職すべきだ』と言われれば、そうするつもりで官邸に参りました。大いに反省をしたうえで、全面的に発言を撤回して、職務に励めというふうに言われましたので、今後、なんとか結果を出すことで、信頼回復に努めてまいりたい」
18日に開かれた自民党佐賀県連の『政経セミナー』での発言です。
江藤拓農林水産大臣(18日)
「農林って大変なんですよ。経済産業は良いんですよ、派手で。農林はですね、やれども、やれども叱られる国でなんですね。やっても、やってもケチをつけられるんです。必死でやってるんですが、怒られてばっかりですよ」
波紋を広げたのは、この発言です。
江藤拓農林水産大臣(18日)
「小売りの中にはですね、いわゆる玄米を渡されても、精米できないんですという話がありますが、玄米ごはん、おいしいですよ、体に良いですよ。精米された米よりも、実は栄養価が高い。そして私の田舎の方でもコイン精米機いっぱいあるじゃないですか、100円で。私も、米は買ったことがありません。正直言って、支援者の方々が、たくさん米をくださるんでですね。まさに、売るほどあります、私の家の食品庫には。大変なんですよ、いろんなものが混じってます。ですから、うちの嫁が、いただいたコメを広げて、黒いやつを、石とか入ってるんですから、そういうのを、いつも家庭内精米をしたうえで、コイン製米機にもっていくというような作業をいたしております」
「私は米を買ったことはありません」「支援者がくださるので、売るほどあります」という言葉に批判が集まっています。
立憲民主党 小川淳也幹事長
「極めて不適切・不見識。これは石破総理の対応を含めて、極めて厳格に対処していただかなければ。場合によっては、進退が問われかねない、それくらい深刻な事態だ。これは令和のマリーアントワネットだ。本当に庶民の苦しみを理解していない。高級貴族だと言ってきた人もいるくらい」
ただ、この発言の直前、江藤大臣が説明していたのは、“備蓄米を玄米で流通させることで値段を下げる”という発想です。
江藤拓農林水産大臣(18日)
「(備蓄米放出を)3回やりました、31万トンやりました。下がりません。大変、責任を感じています。スーパー・大手の方を含めて、いろいろな話をしました。彼らが望んでいることは、精米して、綺麗に袋に入ったお米を、3日分か4日分、スーパーに途切れなく届けてください。それが私たちの望むことであると。大量に持たされても置く場所がありませんと」
19日、釈明に追われました。
江藤拓農林水産大臣
「(備蓄米を)1カ月以内に店頭に出すためには、精米だけではなくて、玄米で流通させることが私は必要だと考えています。ぜひ玄米で買って、精米して食べてと伝えたい気持ちが強く、誇張した表現をしてしまったことは、大いに反省しております」
江藤大臣は、農業の盛んな宮崎で、父・江藤隆美元衆院議員の地盤を継いでいます。家計調査では、米の支出金額が全国1位(宮崎市)。九州屈指の米どころです。
宮崎県日向市。米農家も多い地域ですが、スーパーの在庫は不足しています。
去年より、需要が1.5倍から2倍ほど増えました。知り合いの農家からもらっていた人が、もらいづらくなったという話を聞くそうです。
マルイチ財光寺店 米澤慶則店長
「例年であれば、もらっていたのが(農家に)非常に申し訳ないと。『もらうのも忍びないので、買いにきた』というお客さんもいた。それも、影響としてはあると思う」
地元の有権者
「2代目はちょっとね、苦労を知らんから。物価がどんどん上がっているから、なんぼそれがあったとしても言ったら、いかん」
国会でも追及されました。
共産党 倉林明子参院議員
「玄米を食べてほしい趣旨から発言をしたとおっしゃったかと思うんです。実は、買って自炊もしてということなので“買ったことがない”というのが事実と違うんだろうと。ここは撤回されたということはわかったんですが、“もらってうれしい”と“倉庫にいっぱいある”は、これは撤回されてないという理解でよろしいでしょうか」
江藤拓農林水産大臣
「先ほど、妻から電話がありました。『たくさんいただくと食べきれない』と話はしますけれども、しかし、妻いわく『それでも足りなくなったら買いに行ってるのよ、あなたは知らないでしょうけど』というふうに言われました」
共産党 倉林明子参院議員
「倉庫にはいっぱいないと、それも撤回したと」
「もらっていた」ことについても追及されました。
共産党 小池晃書記局長
「当然、政治資金規正法等について、はっきりさせないといけない問題」
江藤大臣が「もらった」と話すのは、地元の有権者です。
江藤拓農林水産大臣
「これは、もうまさに個人からのいただき物で、そんなに私が『売るほどある』と言ったのは、言い過ぎでした。会場も盛り上がっていたので、ちょっとウケを狙って強めに言いましたが、『売るほどはない』というのが妻からの話。スーパーを週に2回歩くなかで、米売り場で立ち止まって考えている消費者の方々、お年寄りの方々の姿は見ていますので、そういった方々に対する配慮は、足りなかったなと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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