
懐かしのVHSテープ。映画や、テレビ番組などを録画して、何度も好きな映像を見たテープですが、今、その大切な映像が失われるいわゆる「2025年問題」があること、皆さんはご存じでしょうか。
1980年代から90年代にかけて、家庭用の映像記録媒体として隆盛を極めたVHSテープ。
今、思い出の映像が「消滅の危機」にあります。
■国立映画アーカイブ冨田美香主任研究員
「再生デッキの製造がもう全て中止になっていること、修理するために必要な保守のパーツ(製造)も終わっている。テープそのものの保管環境も悪いと劣化が進んでしまう」
世界では、2019年にすでにユネスコなどが、テープに記録された映像や音声が消滅することを警告し、日本では、2025年までのデジタルデータ移行を呼び掛けるビデオテープ「2025年問題」と捉えられています。
2025年に「急に映像が見られなくなる」というわけでは無いですが、今、その問題に直面している人は県内にも。
「西軽井沢ケーブルテレビ」の石川伸一さん。取材テープやVHSテープなど、1万4000本以上あるテープをDVDに変換する作業を行っています。
■西軽井沢ケーブルテレビ石川伸一さん
「これね入れるときは絶対に2本指」
「2025年問題」を迎え、周辺機器も自分で修理し対応していますが、なるべく壊さないよう優しく扱っているのが伝わってきます。朝5時から、仕事の合間にDVD化の作業をしていますが、そうまでして映像を残そうとするのはー。
■西軽井沢ケーブルテレビ石川伸一さん
「40年前から全部の記録が残っているから、過程の記録が。これは今になっては本当に宝。子ども孫の時代のための資料」
一方、一般向けにテープをデジタルデータ化するサービスも。
カメラの販売などで全国展開する「カメラのキタムラ」では、家庭用ビデオテープをDVDに変換するサービスを取り扱っています。
■カメラのキタムラ長野・北長野店平野敬介店長
「夏ごろからかなり本数が増えてきて一度に10本20本持ってくる人も多くなった」
基本価格は、60分以内のテープ・1本1780円ですが、中には100本以上持ち込んだ強者もいるとか…
■カメラのキタムラ長野・北長野店平野敬介店長
「やはり日本は湿気が多いのでカビが出ているものも多いので出来るだけ早く持ってきてもらえれば」
ただ、DVDやパソコン上のファイルに保管しても将来的な課題はあります。
■国立映画アーカイブ冨田美香主任研究員
「DVDに変換したから大丈夫と思っている一般の方も多いがDVDも結局メディアなので再生デッキが無くなったらあるいはディスクが傷ついたらあっという間に終わり」
テープの「2025年問題」と言われていますが、思い出を残すためには、ずっとこの先も保存に必要な作業は、続いていきます。
■国立映画アーカイブ冨田美香主任研究員
「実は永遠に続く営みそうしないと私たちの時代の記録が残らない大変でも本当に大事な物自分にとっての日記や写真と同じように残しておく活動を頑張りましょうと」
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