
コメの安定供給に向けた2回目の関係閣僚会議が行われ、石破首相は、今年からコメの増産を進める考えを強調しました。これについて「ナゼ、このタイミングで表明?」「“今年増産”間に合う?」「“増産”で値段は下がる?」の3つの疑問に沿って、経済部・農水省担当の戸田舜介記者が解説します。
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──首相があらためて打ち出した「コメの増産」ですが、なぜこのタイミングで今年から増産することをあらためて表明したのでしょうか?
経済部・農水省担当 戸田舜介記者
「はい、そのウラにはコメの価格、特に銘柄米の価格がまだまだ下がりきっていないという事情があります」
「全国のスーパーで販売される備蓄米を含んだコメの平均価格をみてみますと、先月から3000円台に乗った一方、いまだ『こしひかり』などに代表される『銘柄米』は4000円台という高値で推移しているんです」
「参院選も控える中、石破首相としては、なんとしてもいまよりさらにコメ価格、特に『銘柄米』の価格を下げたいわけです」
「いま『増産』をあらためて打ち出せば、これから新米は十分に出てくるんだというメッセージになることから、いまだ市場に出回っていないコメの流通を促すことにつながります。その結果、銘柄米の価格が下げられると見込んでいるわけです」
「ある政府関係者は、『備蓄米の底がまもなくつきそうな中、銘柄米の価格を下げるには今年のコメは増えるというメッセージを出す必要がある』と話しています」
──では、2つめのポイント。その増産はまもなく収穫が始まろうとしている今年のコメから始めるということのようですが、間に合うのでしょうか。
戸田記者
「そもそも今年のコメは、前年より生産量が増えると見込まれています」
「これはコメの価格が高いため生産者が飼料用のコメなどを主食用にまわしたためで、今年の生産量は、前の年に比べて40万トンプラスの719万トン、つまり、政府は『増産できる』と見込んでいます」
「では、ここからさらに増産できるかですが、今年は難しいのではないか、との声が多いです。例えばある生産者は『今年はもうほとんどの人が田植えを終えている。間に合わない』と話しています」
──今年は間に合わないということは、来年以降ということですか?
戸田記者
「はい。現実的には、増産は来年収穫するコメから本格化するとみられています」
「ある政府関係者も『いまから増産するのは難しい。“今年から増産”は、マーケットに向けたメッセージに過ぎないだろう』と話していました」
──では、3つ目のポイント、「増産」でコメの価格は将来的には下がるのでしょうか?
戸田記者
「増産によって、コメの供給は安定的になります。そのため政府は、いまよりはコメの価格は下がり、ゆくゆくは適正な価格になっていくことを期待しています」
「一方で、コメを増産した結果、去年のように5キロ=2000円台になれば、生産者から『増産を続けていくことは厳しい』との声もあります。そのため、ある生産者は『政府が補償してくれないと増産しようという気にはならない』と話しています」
「石破首相は、生産者を守る姿勢を強調していますが、補償などを具体的にどう進めるのか、政府内でも決めかねているのが現状です。生産者の生活も守りつつ、消費者が安心してコメを買える環境も守るという、この2つの両立は難しいとの声もあります」
「政府が今後、具体的にどのように『増産』を目指すのか、その政策を冷静にみていく必要があります」
(2025年7月1日放送「news every.」より)
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