映画「キムズビデオ」予告編

映画「キムズビデオ」
2025年8月8日 ヒューマントラストシネマ有楽町、ホワイト シネクイントほか全国順次公開

公式サイト https://kims-video.com/
公式X、https://x.com/usaginoie_film

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サンダンス映画祭ワールドプレミア、テルライド映画祭、トライベッカ映画祭をはじめ
61の映画祭で上映、7つの賞を受賞

世界最高のレアビデオ・コレクションの数奇な運命を追うドキュメンタリー 『キムズビデオ』
ビデオテープ2025年問題の今年、ついに日本上陸!

1980年代からアメリカ・ニューヨークのイーストビレッジ(ニューヨークのボヘミアと呼ばれ、カウンターカルチャー運動の中心地)に実在したレンタルビデオショップ「キムズビデオ」の55,000本にも上る唯⼀無⼆なレアビデオ・コレクションの⾏⽅を追ったドキュメンタリー映画『キムズビデオ』。

ワールドプレミアとなったサンダンス映画祭では「遊び⼼がハンパない」「常軌を逸したドキュメンタリー」と映画ファンたちから熱狂的な⽀持を受けて⼤きな話題になり、その後トライベッカ映画祭など計61の映画祭で上映され、シッチェス映画祭・ドキュメンタリー部⾨の最優秀作品賞をはじめ、計7つの賞を受賞するなど、⼀昨年から世界中の映画祭を席巻してきた『キムズビデオ』が、ついに⽇本で公開される。

1987年、韓国系移⺠のキム・ヨンマンがニューヨークに開業したキムズビデオは、世界中から収集された映像作品が取り揃えられていた。⼊⼿ルートも、世界各地の映画祭や各国⼤使館経由など、⼤⼿レンタルビデオショップには真似のできない独⾃のものだった。その世界最⾼のビデオ・コレクションを⽬当てに、シネフィルたちが連⽇通い詰め、会員数は25万⼈に膨れ上がった。その会員の中には、若かりし頃のコーエン兄弟もおり、延滞⾦を600ドル滞納している逸話が本作に登場する。また、トッド・フィリップス(『ジョーカー』シリーズ、『ハングオーバー』シリーズ)や、アレックス・ロス・ペリー(『ハースメル』)、ショーン・プライス・ウィリアムズ(『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』)ら、今や名を馳せる監督たちがキムズビデオの店員として働いていた。さらに、大ヒットした『ロボット・ドリームズ』でもドッグとロボットがキムズビデオでレンタルした『オズの魔法使い』を鑑賞するシーンがあり、この映画の監督であるパブロ・ベルヘルもニューヨークに住んでいた頃、毎日のように通っていたというエピソードも存在し、後の映画業界の発展に貢献したと⾔っても過⾔ではない、まさに “映画の理想郷” だった。(※1)
※ソニーピクチャーズUSが発表したダーレン・アロノフスキー(「ブラック・スワン」「ザ・ホエール」)の新作「CAUGHT STEALING」(8月29日全米公開/NYが舞台のダークコメディ)の予告編にも キムズビデオの看板が確認できます。(日本公開予定は、今のところ確認できず。)
⼀⽅、このコレクションの中には、本来この国では⾒られない海賊版も多く、それがまた会員たちを興奮させていたのだが、その中には当時ほとんどソフト化されていなかったジャン=リュック・ゴダールの『映画史』をレンタルしていたことで、ゴダールからレンタル差し⽌めの通告が届き、映画の権利元の訴えを受けたFBIに押収されるなど、多くの伝説が語り継がれる“シネフィルの聖地”でもあった。

だが、ビデオレンタル時代の終焉とともに、2008年に惜しまれつつ閉店。経営者のキム・ヨンマンは、価値ある膨大なコレクションをイタリアのシチリア島にあるサレーミ市に展示を条件に譲渡することを決意、コレクションは長旅を終えシチリア島へ到着した。
キムズビデオの元会員だったデイヴィッド・レッドモン(本作監督)は、展示されている様子もないのでコレクション見たさに現地を訪れると、活用されずホコリだらけの湿った倉庫でひっそりと息を潜める映画たちを発見。彼は倉庫から助けを求める映画たちの“声”にかき立てられ、彼らを救うべく、警察署長や当時の市長への取材、その陰で暗躍するマフィアへと追跡を続ける。
そしてついにデイヴィッドは、映画たちを救うために荒唐無稽な奪還作戦を決意した。
その作戦とはカーニバルの夜に映画の撮影だと偽り、アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の“精霊”たちを召喚し、倉庫から映画たちを解放するという前代未聞の計画だった。 (※2)

前半はドキュメンタリーだが、途中からはふたりの監督と映画の“精霊”たちによって、ある種の意図的な創作物語へと発展していく。
映画は「ゴッドファーザー」「ブルーベルベット」など56作品の世界のあらゆる映画の映像をコラージュし、未だかつて見たことのないタイプの映画愛に満ち溢れた傑作となった。

⽇本でもSHIBUYA TSUTAYAが昨年4⽉にリニューアルし、今となってはあの膨⼤な映像コレクションを⾒ることはできない。また、今年「ビデオテープ2025年問題」が起きると囁かれており、映像メディアの価値を再考させる本作の公開は、まさに絶好のタイミングと⾔える。(※3)

※1『ロボット・ドリームズ』のエピソードは、日本版公式パンフレットより引用

※2 “精霊”出演の巨匠たち
アルフレッド・ヒッチコック、アニエス・ヴァルダ、ジャン=リュック・ゴダール、チャーリー・チャップリン、マヤ・デレン、クレール・ドニ、ジム・ジャームッシュ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ジャッキー・チェン、コーエン兄弟、デイヴィッド・リンチ ほか

※3 ビデオテープ2025年問題とは、VHSテープなどの磁気テープの劣化や再生機器の市場消失・生産終了により、2025年以降に貴重な映像が見られなくなる可能性がある問題。ユネスコ(国連教育科学文化機関)も「マグネティック・テープ・アラート」と題し、
2025年までにデジタル化をしないと、映像が失われる可能性があると警告を発しており、大切な映像資産を失わないためにも、映像のデジタル化などの対策が急務となっている。

出演 :
キム・ヨンマン (主人公)
ショーン・プライス・ウィリアムズ (キムズビデオ元従業員)
アレックス・ロス・ペリー (キムズビデオ元従業員)
ディエゴ・ムラーカ (この地区の自治体の警察署長)
エンリコ・ティロッタ (キムズビデオの管理人/ミュージシャン)
ヴィットリオ・ズカルビ (かつてのサレーミ市長 2008~2012)
ジュゼッペ・ジャンマリナーロ (マフィアとの繋がりが疑われる謎の人物)
レオパルド・ファルコ (マフィア撲滅委員会 会長)
ドミニコ・ヴェヌーティ (サレーミ市長)

監督・編集 : アシュレイ・セイビン、デイヴィッド・レッドモン
撮影:デイヴィッド・レッドモン
音楽:エンリコ・ティロッタ
録音:デイヴィッド・レッドモン、マチュー・デボルド

アメリカ/2023年/英語、韓国語、イタリア語/88分/カラー/16:9
提供:ミュート、ラビットハウス 配給:ラビットハウス、ミュート
© Carnivalesque Films 2023

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