トランプ関税 そもそも日本の要求は追加関税の「撤廃」も…残った「15%」の関税 自動車部品メーカーに広がる影響|TBS NEWS DIG

25%の関税を15%に引き下げることで合意したトランプ関税。交渉を終えた赤沢大臣はきょう帰国しましたが、「15%」の関税が残った影響は広がりつつあります。

トランプ大統領との直接交渉を終え、さきほど帰国した赤沢大臣。水を一口のみ…

赤沢経済再生担当大臣
「今後、重要なのは日米双方が合意の実施に努めることであり、引き続き米側との間でしっかり連携していきたい」

きのう、交渉の末、25%から15%に引き下げることになったトランプ関税。

ホワイトハウスで70分にわたり行われた交渉では、ラトニック氏がトランプ大統領の前に「日本はアメリカに投資する」と書かれたボードを置くと、トランプ大統領はその場で4000億ドルを5000億ドルに手書きで直したといいます。

合意は口頭でおこなわれたといいます。

アメリカ レビット報道官(23日)
「トランプ大統領はついにアメリカがぼったくられてきた状況に終止符を打とうとしている」

焦点の自動車関税は追加関税を半減し、これまでの税率2.5%を含めた15%に決定。トランプ関税に振り回され続けた自動車部品メーカーからは…

テイン 渡邊宏尚 執行役員
「今回、15%に引き下げられたことはひとまず安堵はしております」

車のサスペンションなどを製造するこの会社では、売上の2割以上をアメリカ向けの輸出が占めます。関税率が不透明ななか、生産計画すら立てられない状況に陥っていました。

テイン 渡邊宏尚 執行役員
「関税が決まったことで、会社が具体的にどういうふうに動いていくか方針は決められる。まずはポジティブかなと思っています」

一方、別の自動車部品メーカーからはこんな指摘も。

中島メッキ工業 中島綾也 部長
「2.5%が15%になって、実質すごく関税は高くなっている。長期化したときにアメリカ国内での日本車の販売数がどうなるかとか、何かしら絶対に影響は出てくる」

そもそも、日本が求めていたのは、追加関税の「撤廃」でした。

赤沢経済再生担当大臣(5月20日)
「米国に対して、一連の関税措置の見直し、『撤廃』を強く求めていく」

関税率が15%になっても、日本の自動車メーカー8社でこれまでと比べて1兆9000億円程度の負担増となる試算もあります。大手自動車メーカー幹部も…

自動車メーカー幹部
「2.5%から比べればかなり上がってしまう。これで喜んでいいのか…」

また、今回の合意では鉄鋼とアルミの関税は50%に据え置かれたままですが…

日本製鉄 橋本英二 会長
「全てが決着したわけじゃない。鉄とかアルミとか、分野別のとこは50%のまま。50%はトゥーマッチ」

専門家は「条件が悪化したことは確か」だと指摘します。

丸紅経済研究所 今村卓 社長
「(トランプ氏は)最初に厳しい条件を突きつけて、交渉相手をかなり心理的に不安にさせる。そこから少しぐらい譲歩して、相手にとってみればそれで良いかと思わせる」

ホワイトハウスが日本との交渉で「勝ち取った」と発表したのは、ボーイング社の航空機を日本が100機購入すること、防衛装備品を毎年、数十億ドル購入することなどがあげられています。

丸紅経済研究所 今村卓 社長
「対称的な交渉ではなかったですから、かなりアメリカの言い分を飲むことが必要。関税率をここまで下げてくれたということで、これはセカンドベスト。ギリギリのお互いの歩み寄りということになったんだと思います」

合意後、ベッセント長官からはこんな発言も…

アメリカ ベッセント財務長官
「我々は四半期ごとに合意の実施状況を評価します。もし、トランプ大統領が不満であれば、関税率は25%に戻ります。自動車も、それ以外もです」

合意後もトランプ氏の判断ひとつで揺らぐかもしれない状況が続くかもしれず、関税の“霧”が本当に晴れる日はまだ見えていません。

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