
川崎市の住宅で、身元不明の遺体が見つかった事件。現在行方不明となっている女性から友人に対し、姿を見せなくなった去年12月20日以降もメッセージが送られていたことが取材で分かりました。
■住宅の遺体「燃やされた痕跡」
先月30日、行方が分からなくなっている女性の元交際相手の住宅をストーカー規制法違反の疑いで家宅捜索した際、白骨化した遺体が入ったボストンバッグが発見されました。バッグは住宅の床下収納に入れられていて、これまでも警察はこの家に複数回入っていましたが、見つけることができなかったといいます。
司法解剖の結果、遺体は若い女性だということは分かりましたが、損傷が激しく、身元の特定には至っていません。捜査関係者によると、燃やされた痕跡もあったといいます。
捜査関係者によると、元交際相手は今年4月に日本を出国し、海外に滞在しているといいます。
元交際相手からのストーカー被害を警察に訴えていたのが岡崎彩咲陽さん(20)です。彩咲陽さんの行方が分からなくなったのは去年12月20日。その前日、職場の友人の誕生日に7本のバラを送っていました。
職場の友人
「めっちゃうれしかった、花もらった時は。優しさを感じた。後輩とか年下にも皆に優しい」
■祖母宅に“押しかけた”人物
いつもと変わらぬ日常を送っていた彩咲陽さんを悩ませていたのは、元交際相手からのストーカー行為だったといいます。去年12月12日未明、身を寄せていた祖母の家に元交際相手とみられる人物が押しかけて来た時、友人が映像を撮影していました。
友人が撮影した映像
「待って、そっちにいたらどうする?いるじゃん。やばい、バレてる?バレてない?」
彩咲陽さんと一緒に映像を撮影していた友人はこの直後、警察に通報したといいます。
彩咲陽さんの友人
「『(元交際相手が)いるから来て』と(警察に)連絡した時も『どういう状況でどうなったのか』とか。『後で話すからすぐ来てほしい』と言った時も、すぐそこなんですけど警察署が。30分、40分後にパトカーが通るだけ」
■「大丈夫」しかし連絡は途絶え…
この映像が撮影された8日後に行方が分からなくなり、家族は連絡を取れなくなりました。しかし、それ以降も友人とはLINEのやり取りが続いていたといいます。
彩咲陽さんのメッセージ(20日)
「体調やばすぎ」「大丈夫だから心配しないで!!」「あいしてるよぉ」
友人は家族が探している旨のメッセージを送ります。すると彩咲陽さんは…。
彩咲陽さんのメッセージ(21日)
「れんらくは来たけど」「どこにいるかわからないって」
このやり取りでいったん、連絡が途絶えます。そして23日午前午前8時すぎ、友人からメッセージを送ります。
友人のメッセージ(23日)
「あさひ大丈夫」
返信は半日後でした。
彩咲陽さんのメッセージ(23日)
「大丈夫だよ」
友人のメッセージ(23日)
「今でんわできる?」
彩咲陽さんのメッセージ(23日)
「ちょっとまって」「でんわするよ」「あさひから」
友人のメッセージ(23日)
「待ってるなるはや!」
しかし、電話がかかってくることはありませんでした。友人は、送られてきたメッセージについて、いつもと違う印象があったといいます。
彩咲陽さんの友人
「いなくなった日のLINEの感じは彩咲陽だったんですけど、徐々に、これ彩咲陽が打ってるよね?というのはちょくちょくあった」
(Q.違う人が打っていたかもしれない)
「はい。それか『こうやって返せ』と言われていたかだと思う」
■ストーカー被害を複数回相談
ストーカー被害の経緯も分かってきました。2人の交際が始まったのは去年春ごろ。その後、関係が悪化すると、つきまとい行為などを受けるようになったといいます。去年6月には暴行されたとして川崎臨港警察署に被害届を提出しています。しかし、友人によると、被害届を出した直後に元交際相手から脅され、取り下げることになったといいます。
彩咲陽さんの父親が元交際相手に直接会って交際をやめるよう伝えたこともありました。
彩咲陽さんの父親
「『分かりました』ということで、その時はそれで帰った状態です」
(Q.それ以降の交際は)
「たぶんそれ以降も、また付き合ったり離れたり、2度くらいあった。別れたらすぐストーカー。隙見て彩咲陽が1人になったところを(元交際相手が)捕まえて家に連れて帰って。そんなもう毎回。その度に彩咲陽が何かの理由をつけて、嘘をついて逃げてくる」
捜査関係者によると、ストーカー被害の相談は複数回あり、その度に警察が元交際相手から話を聞いて、口頭注意していたといいます。ただ、被害は続いていました。
■不明となった日も警察に電話
彩咲陽さんの12月の携帯電話の通話記録。9日から20日までに9回にわたって川崎臨港警察署に電話をかけ、相談をしていたとみられています。そして行方が分からなくなった当日朝の記録もありました。
彩咲陽さんの父親
「1番最後のいなくなった12月20日の朝7時10分にかけた電話に関しては、絶対にSOSを出しているんだなと」
彩咲陽さんの行方が分からなくなった2日後には、身を寄せていた祖母の家の窓ガラスが不審な割れ方をしていることに気付き、警察に通報したといいます。しかし…。
彩咲陽さんの父親
「22日に祖母がガラスが割れてるのに気が付いて、警察呼んで鑑識もたくさん来たんですけど、『事件性がない』ということで帰った。どういうことなのか全く分からなくて」
家族は警察の対応に不信感を抱いています。
彩咲陽さんの父親
「彩咲陽が電話していることがあったのだから、親身になって対応してくれていたら、もっとちゃんとした指導をするとか。この1年間の間に何回も相談に行っているわけだから」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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