
川崎市の住宅で、岡崎彩咲陽さん(20)の遺体が見つかった事件で、白井秀征容疑者(27)が、去年12月の時点でストーカー行為を認めていたことが捜査関係者への取材でわかりました。
いま、彩咲陽さんは、祖母の家で静かに眠りについています。
彩咲陽さんの祖母
「怖かったと思う。助けてあげられなかった。守ってあげられなかった。助けてあげられなかった」
彩咲陽さんの行方がわからなくなった去年12月20日以降、家族は、彩咲陽さんにストーカー行為をしていた元交際相手・白井容疑者の関与を訴えてきました。
彩咲陽さんが行方不明になって以降、警察は、あわせて7回、白井容疑者に任意で事情を聴いていました。
3月25日の7回目の聴取で、つきまといを認めたことを受け、1カ月後にストーカー規制法違反の疑いで、家宅捜索に入ったというのが、これまでの説明です。
しかし、捜査関係者によりますと、12月26日の3回目の聴取で、白井容疑者は「12月12日から17日の間、彩咲陽さんの家の前や勤務先の前をうろついた」と話したといいます。
これまで公表しなかった理由について、警察は、捜査に影響があるため控えたとしています。
白井容疑者の話を裏付けるような動画も残っています。
彩咲陽さんが行方不明になる8日前、身を寄せていた祖母の家の周辺をうろつく白井容疑者とみられる男。彩咲陽さんと一緒に撮影していた友人によりますと、この動画については、警察も把握しているといいます。
彩咲陽さんの友人
「(Q.動画は警察に見せた)見せました。いなくなってすぐくらいに。警察が来たときに、全部、見せて、(LINE)トークとかも全部見せて」
日付は1月10日。その際に警察官は「この動画は前に見た」と話していたそうです。家族がすでに見せていたとみられます。
彩咲陽さんの行方がわからなくなった6日後、うろつき行為を認めていた白井容疑者。この時点でストーカー事案として扱わなかった理由について、警察は、こう説明しています。
捜査関係者
「『近々に連絡を取っていた』という趣旨の話もしていたため、これまでにあった破局からの復縁という可能性もあると判断していた」
もう1つ、新たにわかったことがあります。
警察は、1月中旬の時点で、白井容疑者が事件へ関与していたことをほのめかす証言を親族から得ていたことが、捜査関係者への取材で明らかになりました。
白井容疑者の親族
「白井容疑者が事件に関与してしまったかもしれない。殺してしまったかもしれない」
具体的な根拠はありませんでしたが、白井容疑者の様子を見て、親族が、そう思ったということです。
白井容疑者の親族の証言は、当時、警察内でどのように扱われたのでしょうか。
捜査関係者
「この話を受けて捜査を行ったが、証言に具体性がなく、彩咲陽さんの行方の手掛かりはつかめなかった」
◆彩咲陽さんの行方がわからなくなった直後、白井容疑者が彩咲陽さんへの“つきまとい”“ストーカー”行為を認めていたことがわかりました。その前後の警察の動きを確認します。
神奈川県によりますと、去年12月9日、彩咲陽さんから「元交際相手が家の周りをうろついている」と通報がありました。これ以降、行方不明になる20日までの間に計9回通報しています。
22日・23日、警察は、白井容疑者に聴取。自宅などを任意で確認しています。 床下収納がある部屋を含め、「そこはやめてくれ」と言われた場所は確認できなかったといいます。26日・27日にも白井容疑者に聴取を行っていました。
捜査関係者によりますと、彩咲陽さんが行方不明になった6日後の26日、警察署内で行われた任意の聴取で、白井容疑者が「12月12日から17日の間、岡崎さんの家の前や勤務先の前をうろついた」とストーカー行為を認めていました。これは彩咲陽さんが警察に通報した時期・内容と一致しています。
これまでは、警察は、3月25日の聴取で白井容疑者がストーカー行為を認めたとしていましたが、すでに去年12月の時点で認めていたことがわかりました。
なぜ、去年12月の段階でストーカー事案として動けなかったのでしょうか。
捜査関係者によりますと「白井容疑者がうろつき行為を認めた一方で、『(彩咲陽さんと)近々に連絡を取っていた』という趣旨の話もしていたため、これまでにあった破局→復縁という流れの可能性もあると判断していた」としています。
そして、年が変わって今年1月、警察は2度にわたり、白井容疑者に聴取していて、任意で関係先の確認も行っています。
この1月の動きでも新たな事実が判明しました。
詳細な時期はわかりませんが、捜査関係者によりますと、1月中旬、白井容疑者の親族が「(白井容疑者が)事件に関与してしまったかもしれない。(彩咲陽さんを)殺してしまったかもしれない」などと警察に話していたといいます。
捜査関係者によりますと「この話を受けて捜査を行ったが、証言に具体性がなく、彩咲陽さんの行方の手掛かりはつかめなかった」としています。
その後、警察が白井容疑者に聴取を行ったのは、3月25日の1度だけです。そして、先月30日、ストーカー規制法違反容疑で家宅捜索を行ったところ、彩咲陽さんの遺体が見つかりました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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