
コメの価格高騰が止まらないなか、日々、大量のコメが廃棄されている場所があります。ある工場には、毎日3トンもの売れ残ったコメが持ち込まれていました。
■備蓄米は契約済みも待機中「流通に時間かかる」
60代
「5キロで1980円で買っていた時代が懐かしい」
10代
「入手するの、すごい大変だなと感じます。スーパーを渡ったりして、おコメ探して」
先月21日から27日に全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は4233円。17週連続で最高値を更新しました。
3回入札が行われた備蓄米は31万トンにも上りますが、いまだに消費者には行き渡っていません。
埼玉のスーパーでも…。
スーパーマルサン越谷花田店 八木栄樹店長
「備蓄米は注文しているのですが、まだ入ってきていないです」
備蓄米は今、どこにあるのでしょうか。
JA全農米穀部
「出荷依頼があった取引先にはお届けしています」
およそ20万トンの備蓄米を落札したJA全農によると、販売先との契約はすべて終わっていますが、およそ7割が倉庫で出荷を待っている状態だといいます。
JA全農と取引をしている卸売業者を取材すると次のように話しました。
JAと取引をする卸売業者
「備蓄米を流通させるには時間がかかります」
備蓄米を手に入れても、精米して袋詰めする必要などがあるため、小売店に販売するまでには時間がかかるといいます。
しかし今後については。
卸売業者
「地方にある卸業者にコメが流通することで流通が多様化し、地方のスーパーなど地域密着の店にも行き渡るようになります」
今回から、卸売業者同士の備蓄米の売買も可能になりました。これにより、流通量は増えると予想していますが、もどかしい現状が続いています。
それに加えて生産コストの上昇や後継者不足で去年、倒産もしくは休業・廃業したコメ農家は89件と過去最多に上っています。
食卓からコメは離れていくばかりです。
■毎日コメ3トン廃棄 捨てられる量に変化なし
一方で、スーパーの惣菜など余った食品を殺菌・発酵処理しブタの飼料や電気にリサイクルする「日本フードエコロジーセンター」。コメ不足となった今も、捨てられるコメの量に大きな変化はないといいます。
日本フードエコロジーセンター 高橋巧一代表
「コンビニやスーパーなどでは、常におにぎりとかお弁当が並んでいる状態。あれを作り出すためにはどうしても(コメを)炊きすぎてしまう」
コンビニやスーパーなどは消費者への供給を止めないために、一定の予測のもとにコメを使った商品を作り続けていますが、どうしても売れ残りが出てしまいます。
残ったものは廃棄処分となりますが、その量が毎日およそ3トン。
こうした現状を打開すべく、廃棄食品を集める側ならではの取り組みも。
高橋代表
「何がどれくらい入ってきたかデータをすべて取って、いろいろな企業にフィードバックしている」
毎日届く食品ロス、およそ40トンの廃棄量をすべて分類してデータ化することで廃棄量を見える化し、企業にその情報を提供。ロス削減への取り組みを後押ししています。
毎日のように開催している工場見学でも、消費者側に現状を伝えています。
高橋代表
「改めておコメを作る大変さや、流通過程や生産過程、便利さの裏表というのがある。事実を消費者に知ってほしい」
(「グッド!モーニング」2025年5月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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