【報ステ全文】石破総理に聞く“コメ価格”どう下げる?国民の生活苦へ処方箋は?【報道ステーション】(2025年5月23日)

価格が高騰するコメをめぐって、小泉農水大臣が、政府が放出した備蓄米について「店頭で2000円で提供できるような形で売り渡しをさせていただく」と述べました。

■小泉大臣「2000円で店頭に」

小泉農林水産大臣が23日、東京都内のスーパーを視察しました。

小泉農林水産大臣
「こんなに棚が空いているのですか。いまは、備蓄米は」
岩崎社長
「いまは、ないですね」

直面するコメの問題に、23日、打ち出したのは、具体的な数値目標です。

小泉進次郎農林水産大臣
「6月上旬には、2000円台の備蓄米が店頭に並ぶように、いま、進めています」

“随意契約”を取り入れて、来月には、5キロ2000円台で、コメを買えるようにすると表明しました。

その秘策となるのでしょうか。

楽天・三木谷会長と面会しました。

小泉進次郎農林水産大臣
「今までの形だけではなくて、ネット販売も含めて、さまざまな流通の形を、模索していかないと」

備蓄米を、ネットで直接、買えるようにして、コストを削る考えですが、公平性への疑問もあるなか、うまくいくのでしょうか。

小泉大臣が精米店を訪れると、「コメ安くしたら、農家はコメ作りませんよ」「コメ2000円になって、またコメ不足になるんですか。農家のことも考えてください」などと声をかけられました。

農家も疲弊しています。

黒澤ファーム 黒澤信彦社長
「コメを作るというのは、非常にお金もかかるし、借金背負いながらやっている人が、ほとんどだと思いますけど、持続可能な農業を実践しようと思えば、それなりの米価がなかったら、やっていくことはすごく難しいのではないか。総理は『コメの値段を下げる』と。コメの生産者からすれば、がっかり」

小泉大臣は23日午後9時半ごろ、こう述べました。

小泉進次郎農林水産大臣
「店頭で2000円、提供できる形で売り渡しする予定」

■「コメ買ったことない」大臣辞任

政権の最重要課題の1つと言っていいコメの問題。石破茂総理に聞きます。

大越健介キャスター
「非常に物価が高い。とりわけ主食であるコメの価格高騰は堪えるという声が聞こえてきます。そうした中で、農林水産行政に携わる江藤農水大臣が辞任。任命権者としての責任をお聞かせください」

石破茂総理
「選んだのは私ですから。『私はコメ買ったことがない』『家に売るほどあるんだ』と言われるとね。それがどういう意図に基づくものだったのかと。撤回をされたんだけど、それは本当にコメが高いと思っていらっしゃる消費者の気持ちをものすごく逆なでしたと思いますね。『色んな方が米を持ってきて下さる。それに色んなものが混じっててね』みたいな。これも一生懸命作った生産者の方の気持ちを逆なでしたところがあってね。そこはもう本当に最初から撤回をして、おわびをして頂きたかったなと思いますね」

■小泉氏を農水大臣に起用 狙いは

大越健介キャスター
「後任に任命したのが小泉進次郎さん。総裁選を共に戦った仲でもあり、以前から近い仲でもあると言われています。その小泉さんを選んだ理由はどういうところでしょう」

石破茂総理
「色んな仕事を一緒にやってきました。私が幹事長の時の青年局長、地方創生大臣の時の政務官、あるいは私は水産総合調査会長の時の海業の委員長。考えてみれば色んな仕事一緒にやって来たなって思いますね。それはやはり先見性・決断力・発信力でしょうね」

■小泉氏「備蓄米5キロ2000円」

大越健介キャスター
「その決断力と発信力を就任早々、フルに発揮されているように見えます。小泉大臣は備蓄の放出をめぐって、早ければ6月に2000円台と述べて、さらに夜になって売渡価格が店頭でジャスト2000円になるようにすると発言しました。これは総理も同じ認識でいるのでしょうか」

石破茂総理
「それをやってみなければ分からんが、今まで出したことがなかったからね、こういう場合に。備蓄米を出したんだが、それは入札したから高い順から売れていくわけですよね。そうすると基本的に下がらない。今度は随意契約でやるわけだから、この値段と決めるわけですよね。そうすると安い値段で契約してくれるところが出ればその値段になる。令和5年産米とか令和4年産米、4年とか味はそんなに落ちてはいないが、期間が過ぎたお米。もちろん十分おいしいし安全なんだけれども、その分を減価償却も行われているわけで。そうすると、いくらと決め打ちはできないが、今みたいな4000円台なんてことはあり得ないということです」

大越健介キャスター
「小泉大臣が仰るのは、店頭では実際に色々ブレンドされたりとか、色んな種類の米を売っていますが、この備蓄米について言えば2000円で十分行けるよということだと思うんですけど、基本認識は総理も同じということですか」

石破茂総理
「そうなればいいんだが、これは農家の方にはお金をお支払いしてるわけで、今作ろうとしているコメ、これから先どうなるかっていうのはお話は別です。すでに農家の方々の手を離れたコメですから、それは安い価格に越したことはないが、それが2000きっちりでいくか2000円台なのか。4000円という一時期の倍になっちゃった。これを3000円台に落としていくのか。方向性は一緒なんだけれども、いくらっていうのはブレンド米、あるいは備蓄米100%、それによって違いますもんね」

大越健介キャスター
「総理は21日の党首討論で『3000円台にしなきゃいかん』と仰って、これは銘柄米もブレンド米も全ての平均でという意味ですね」

石破茂総理
「そうですね」

大越健介キャスター
「備蓄米について言えば、小泉大臣が言うような2000円のところまで行ければいいなということですね」

石破茂総理
「うん」

■『随意契約』いつ実現?いくらに?

備蓄米の放出について、これまでは競争入札で30万トンが落札されていて、集荷業者であるJA全農が約95%を落札していました。競争入札は一番高い価格を示した所に売るため、どうしても値段が高くなります。それから集荷業者から小売りに回るまでに、経費や利益が乗ることなどが価格高止まりの原因だとも指摘されていました。小泉大臣は今回、大手の小売りに集中して随意契約を結ぶと明言しました。これで店頭価格が2000円になるとしています。

大越健介キャスター
「この随意契約というやり方、小泉大臣に指示をされたのは石破総理だと思いますけれども、もともと発想にあった1つなんでしょうか」

石破茂総理
「選択肢としてはありましたよね。ただ、備蓄米は国民の財産なので、それは本当に予測しがたい事態が起こった時のために備蓄してあったわけで、そう簡単に安くは国民の財産を売り払うわけにはいきませんよっていうのが一方にあるわけです。でも今4000円台なんていう高い時に、この備蓄米が果たす役割は何なのよと考えた時に、高い方から売っていく競争入札のやり方が良かったかと言えば、それは違うだろうと。国民の財産ではあるが、同時にいかにして消費者の方々に安心して買えるコメを提供することも政府の役割。そうすると、高い順から売れていくという競争入札は、安い・納得できる価格で消費者の方々がコメを買っていただけるということとは反するんだということです」

大越健介キャスター
「今のお話ですと、江藤前大臣の時も備蓄米の放出でなかなか効果が上がらず苦労されていました。江藤前大臣に対して指示できたのかなと思うんですけれども」

石破茂総理
「江藤前大臣は、こういう場合に備蓄米の放出、これも大変な決断だったわけですよね。江藤前大臣は何度も国会で答弁したけれど、国民の財産をそんなに安く売れますかと。これは江藤前大臣の使命感だったと思います。ただ、それでも下がらなかった。10万トン10万トン10万トンと出したが下がらなかった。それは国民の方々から見れば何やってんだって話になるわけですね。そうすると、優先をするのは国民の皆様方に迅速に納得できるコメを提供する方を優先させることになります」

大越健介キャスター
「小泉大臣は随意契約の相手をJAなどの集荷業者をじゃなくて大手の小売り、あるいはネット販売を含む小売りにするんだと。これも総理は当然相談のうちということですね」

石破茂総理
「もちろん。これはできないんですかってことは、江藤前大臣の時から、そういうことはできませんかと何度も総理大臣室でやり取りをしたことです。おそらく農林水産大臣室も何度も何度も議論したことだと思いますね。だけども、そういう大手のスーパーとか、あるいは何でしょうね、安売り店とかそういうのがありますよね。大手の小売店。そこに出した時に、そこで精米できますか。そういう色んな問題があって、今までと違うやり方は取るべきではないという判断だったんでしょうね」

■やめたはずの“減反政策”

大越健介キャスター
「ここからは中長期のコメ政策についてお聞きしたいです。これだけ主食のコメという問題が我々の意識の中で色々学んでいるし、その大変さ、価格の維持などについての大変さへの関心が非常に高まっています。21日の党首討論のなかで、総理は『決してコメ足りてないとは言わないけれども、かなりギリギリだ』という趣旨の発言をされてますよね。これは事実上の減反というのはやめて、増産にかじを切っていいんじゃないかという趣旨ですか」

石破茂総理
「私はそうあるべきだと思っています。今から15年ぐらい前かな、麻生内閣で農林水産大臣をしていた時から生産調整は見直すべきだということを大臣就任の時から言っています。めちゃめちゃ批判されました。自民党から共産党に至るまで、コメの値段下がるなんてとんでもないっていう世論でした。まして私は自民党の大臣だったからね。史上最低の農林水産大臣とまで言われました。でも生産調整を続けていって、世界中が農地を広げ、世界中がコメを増産している。大体50年ぐらいで、コメの生産量3倍ぐらい増えてるわけですよね。世界では。アメリカも中国もインドもね。日本だけがどんどん減らしてきた。じゃあ日本はそんなにコメ作りに向かないんですかっていえば、そんなことないでしょ。これだけ雨が降って、水が流れて、連作障害、同じ作物を植えると土の力が弱ってきますからね、それがありませんよねっていう国だし。最近、気候はかなり厳しいんだけども、それでも日照とか光とかは稲作に適しているからこそ、日本の国の今日があるわけであってね。そうするとコメの値段はもっと下がりませんか。そして今ギリギリで需給やって来てますから、特に工業製品と違って、農産物は少し供給が減っただけでガーンと料金が上がっていく、そういう特性を持ってます。それはやっぱり危ないじゃないですか」

■「余った分は輸出」うまくいく?

大越健介キャスター
「これは賛成論反対論、両方あると思います。これまで自民党の伝統的ないわゆる“農水族議員”たちは、コメの価格を維持しないことにはダメだから生産調整が必要だと。農家もダブついたら値崩れしてやっていけない。だから今の生産調整は批判はあるけどやるべきだという意見がある。実際、農家も下げないでくれと。これ以上下がるようなことしないでくれという声もありますよね。
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