
神戸市のマンションで20日夜、片山恵さん(24)が刺され、殺害されました。
現場は、神戸最大の繁華街、三宮から歩いて10分ほどの若い世代にも人気の住宅街です。
防犯カメラは、まず、1人で帰って来た片山さんの姿をとらえました。そのすぐあと、男はオートロックをすり抜ける形で、マンションに侵入。映像を確認した警察によりますと、片山さんは、男の存在に気付いていなかったそうです。
異変を察知したのは、同じマンションの住人でした。
エレベーターの中の様子がわかるモニターを見て、こう、通報します。
住人の110番通報
「女性の悲鳴が聞こえました。エレベーター内で、男が女性を羽交い絞めにしています。男は刃物を持っているように見えました」
警察が駆けつけると、片山さんは、自分の部屋がある6階のエレベーター前で倒れていました。意識はなく、上半身に複数の刺し傷。腕には、刃物から身を守ろうとした防御創があったといいます。男は、すでに逃走していました。
兵庫県警 大上健二捜査一課長
「現場臨場したところ、出血し、倒れている女性が発見され、搬送先の病院で死亡が確認され、殺人事件と断定。刑事部長以下80名の態勢による捜査本部を設置した」
男の逃走経路について、わかったことがあります。
下村彩里アナウンサー
「片山さんを刺したあと、男は、エレベーターのそばにある階段を使って、6階から逃走したとみられています。その様子を、マンションの住人が目撃していました」
住人は、3階と4階の間で、特徴の似た男とすれ違いました。男は、慌てる様子もなく、歩いて階段を下りて来たそうです。
4階の手すりには、血痕のついているところがあったということです。
さらに、21日夜、捜査関係者によりますと、男は、片山さんのあとをつけて、マンションに侵入していたことがわかりました。マンションを出ると、来たときとは別の方に向かったといいます。繁華街や駅、バスターミナルなどがある方向でした。防犯カメラなどの情報から判明したそうです。
この事件で注目すべきは、極めて短時間で犯行を終えていること。
片山さんがエレベーターの中で羽交い絞めされていたとの通報があったのは午後7時22分。そして、階段で男とすれ違った住人が通報したのは午後7時25分、わずか3分後でした。ほんの数分間で、片山さんを刺して、現場から逃走したことになります。
男は、いまも逃走中です。
亡くなった片山さんは、神戸市内の保険会社で働いていました。
同じマンションの住人
「僕が見る限りは20代~40代の方が住んでいる。(Q.一人暮らし)一人暮らしの方が多い。(Q.どんなところが不安)セキュリティー面では自動ドア。オートロックだけど、後ろについて来られると、イヤホンして入ると、何も聞こえないので、後ろパッと見ると人がいたり『いるんや』と」
片山さんと男が会話をしていた姿は確認されておらず、顔見知りではなかった可能性があります。
これまでのところ、片山さんが、警察にトラブルなどを相談していたという情報も確認されていません。
逃走している男は、20代~30代とみられ、中肉中背で、金髪交じりの黒髪。黒いTシャツに、黒のズボン。靴は、白っぽいものを履いていたようです。黒っぽいリュックのようなカバンを体の前に抱えていたといいます。
◆逃走中の男の犯人像について、元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さんに聞きます。
佐々木さんは、犯行場所がエレベーターであったことと、刺し傷が複数あったことに注目しています。
「犯行場所がエレベーターで考えられることは、2人が深い交友関係であるならば、エレベーターという不特定多数に目撃される可能性のある場所ではなく、二人きりになれる場所(居室内など)を選ぶのでは。犯人と被害者の交友関係が全くない可能性、もしくは、少なくとも被害者は犯人を知らない可能性がある」といいます。
そして、複数の刺し傷について、「防御層がありながら、刺し傷が複数できるということは、殺意が明確にある」と指摘。「“関係が希薄”だとすれば、殺害自体が目的だったのでは。どこかで被害者に目をつけ、後を付けて襲った無差別の犯行の可能性がある」といいます。
佐々木さんは「防犯カメラもすべての道を網羅しているわけではない。犯人の足取りが消えて、追跡できず、捜査に時間がかかる場合もある。第二・第三の被害を防ぐため、防犯カメラ映像の公開捜査もあるのでは」と話します。
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp
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